第4話 悟る俺
なんて言えばいいのかな?
地図のウィンドウでは正方形の真ん中にぽつんと赤い点があった。
例えるならサイコロの一の目みたいな感じ(それよりも点がちょっと小さいか?)。
空間がありそうだったんだ。
でも実際は……狭い。
余裕がない。
なんか、押し込められてるって感じだ。
……え? 俺、今手足伸ばせてないの?
折りたたまれて箱の中に詰められてる、とか?
そんな体勢になってる感覚もないんだけど……。
魔法が感覚を麻痺させてるのか?
……兎に角、そんな印象を受けるくらい小さな空間だった。
もしかして、今世の俺って巨人だったり?
それだったら、この空間が狭く感じるのにも納得がいく。
……地図のウィンドウの正確性は疑うことになるが。
でも巨人なら『ビキニアーマー』を着てることにも説明がつくし。
ほら、素材がなかった、とか!
巨人って表面積多いし、防具つくるのも大変そうじゃん?
普通の人より素材が多く必要になるだろうし、その分お金もかかるだろうし。
節約したら『ビキニアーマー』になっちゃいましたってとこなんじゃないかな?
謎は全て解けた!
……いや、まだ残ってたわ、謎。
なんで俺がこんなとこで拘束されてんのか、が……。
地図のウィンドウには<ウィーヴルの宝物庫>って書いてあった。
ってことは、俺を拘束したのはそのウィーヴルって奴なんだろう。
巨人を倒せるって何者なんだ、ウィーヴル……。
っていうか、『ビキニアーマー』を着てるってことは俺、冒険者かなんかなんだろ?
お宝を求めてやってきてそうな奴を宝物庫に閉じ込めるかね、普通?
……まあ、この世界の常識とかわからんけど。
そういや、ここ、宝物庫なんだよな?
その割にはお宝っぽいものが見当たらないんだが?
《ライト》で照らしてみても、ものが一つもない……。
お宝が一つもないのに宝物庫とはこれ如何に?
盗人でも入ったん?
案外、俺が盗人だったり?
で、へまして捕まって宝物庫に監禁された、とか?
……いや、それはないか。
もしその展開だったなら、お宝が残ってるはずだし。
ここにはお宝が一つもないんだから、俺が盗んだってのはあり得ない。
……あれ?
これ、俺が盗人だと勘違いされて捕まったんじゃね?
何者かがお宝を奪う
→ ウィーヴルがお宝がなくなっていることに気づく
→ その時にちょうどやってきた俺をウィーヴルが犯人だと勘違いして拘束する
それなら俺が宝物庫に監禁されてるのも、ここにものが一つもない理由も、説明がつく……!
ぬぉわああああ!
盗んでないのに犯人にされるとかついてないにもほどがあるだろ⁉
拘束解けろよぉおおお!
うがぁあああ!
……びくともしねぇ!
このままだったらどうなる⁉
ここは異世界……。
元の世界の常識が通用しないかもしれない……っ。
最悪、ウィーヴルって奴に殺される可能性も……!
ま、まずい!
どうにかしないと……っ!
〖魔法・マッチ〗を取ってボヤでも起こすか⁉
……いや、ダメだ!
拘束が解けなかったら、俺が点けた火で俺自身が死ぬ可能性がある……!
死ぬ……?
そういえば、水や食料は用意されるのか?
このまま放置されるなんてことも……!
〖魔法・ドリンキングウォーター〗を取った方がいいんじゃないか⁉
そうすれば死ぬまでの時間を延ばせるはず――いや、口が動かない!
飲み水を出せても上手く飲める保証がない!
最悪、その水で窒息する可能性も……!
身体は動かせない!
魔法も使えない!
助けも呼べない!
ど、どうすればいいんだ⁉
俺はパニクっていた。
でも、できることはこの狭い空間かウィンドウを見ること、それくらいしかなくて。
何かとっかかりがあるとするならウィンドウの方だろう。
俺はウィンドウに縋って、現状を打破する方法を求めていた。
┌───────────────────────────────┐
《ステータスウィンドウ》
├───────────────────────────────┤
『ビキニアーマー』(ブレストプレート+タセット?)
ランク :★★★★★★★☆☆
エフェクト:HP-31%
STR+31%
INT+31%
AGI+31%
【悪霊になっていもいい】
――装備変更不可
【美しいハイスペック】
――MP消費量31%減
【ベリーイージーモード】
――状態異常無効/3分毎にHP31%回復
【仕返ししたい!】
――受けたダメージを自動的に相手に返す
【障害を撥ね退ける】
――攻撃・デバフ魔法を自動的に反射する
【必要とされたい】
――生活魔法付与
《コンフォート》
《クリーン》
《ライト》
フレーバー:
赤に金の差し色が映える究極の美。
小さいがとても頑丈で決して壊れることがない。
(【自分を労う】――耐久値∞)
神様が意思を与え、すべてを見通しているという噂がある。
(〖本当にどういう状況⁉〗
――自身や対象の情報を見ることができる/
自身がいる場所がわかる)
スキルポイント:残り25P
└───────────────────────────────┘
――ハッ!
穴が開くほど見ていて気付いた!
〖本当にどういう状況⁉〗!
その〝自身や対象の情報を見ることができる〟の部分!
これって、自分以外も対象にできるってことなんじゃ⁉
そうだ……そうだよ!
名前はこんなだけどその内容は〖鑑定〗スキルのはずなんだ!
見たものの詳細を得られるスキル!
この空間の壁とか天井とかに使ってみたら何かわかるかも!
早速調べるぞ!
というわけで、壁に向かって情報を知りたい!って念じると、新しいがタブ現れて。
それに書かれていたのが、これ。
――<宝箱(内側)>
……え。
わけがわからなくてフリーズした。
……いや。
わからなかったわけじゃない。
認めたくなかったんだ。
――今世の記憶が全然ない
――動けないししゃべれないという異常な状態なのにステータスにその表記がない
というか〝状態異常無効〟持ち
――<ウィーヴルの宝物庫>にある宝箱の中にいる
――ステータスの「パラメータ」の部分に謎の〝%〟表記
しかもHPは〝-〟
――「レベル」じゃなくて「ランク」
『ビキニアーマー』を着てるんじゃない。
――俺が『ビキニアーマー』なんだ。
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