第12話 最初の馬車!

少しすると扉が開いて従業員さんがお茶を持ってくる。


その背後に女性と俺と同じ位の子供もいる。

「いらしゃい、こちらが馬車を発見してくれたマーサー殿です、そしてマーサー殿、こちらが2台目の持ち主の奥さんとご令嬢ですよ」

ショートカットなので男の子と思ったら女の子だった。


「この度は、当方が所有だった馬車を見つけてくださりありがとうございます、もし良ければ見つけた時の事をお話ししていただけますか、なにぶん7年前なので、遺留品も無く朽ち果ててましたでしょう?」

7年前の馬車なのか、でも中の物も幌だって朽ち果てて居なかったよね?


「支配人さん、なら倉庫で見てもらった方が、ここよりは良いと思うんですけど?」

「確かに、奥様が思う様な形とは違うと思いますね、遺留品も少しですけど有りますよ」

支配人さんが答えると奥さんは少し喜んだ。


「では倉庫でご確認ください」

支配人さんを先頭に倉庫にみんなで行く、そして馬車を見た瞬間に奥さんは泣き崩れる。


「あの時、村を出て行った馬車です、矢が刺さっている所を見ると盗賊に襲われて逃げたんですね、それになんでこんなに綺麗なんですか?」

それは俺にも分かりませんよ、知っているのはあの女性だけでしょう。


アイツは俺の記憶を消して、思い出せるまでスキルを隠していた女!


でもそれで生きていけたんだけど、此処から逆転の人生を歩むぜ!


少し落ち着いた女性、どうにか立ち上がりまた馬車を見ている。

「中を見てもよろしいでしょうか?」

「良いですよ、大した遺留品は有りませんけど」


そして女性は裏から馬車に乗って遺留品を確かめる。

「これは主人の外套に着替え、それと調理器具ね、なら荷は全て売れたか、盗賊にとられたか!」

その後、女性は行者席を弄り何かをしている。


「ほう、あそこがこの馬車の隠し金庫かな」

支配人さんがポツリと言う、隠し金庫か? 何処に有るかは何時も使って居たけど、俺には分からなかった。


「あのー、このお金は誰の所有になりますか?」

女性が俺達に聞いてくるけど、俺は判断出来ないので支配人さんに任せる。


「今現在の所有者は旦那様と商会でしょう、もしお亡くなりになっているなら、奥様にも権利は有りますよ」

支配人に言われて奥さんは考えてる、子供は少し嬉しそうだ。


「実は主人が無くなって、借金が有ります、宜しければ馬車の権利は捨てますので、この袋のお金は頂けませんでしようか?」

どれくらいお金が入っているか分からないけど、俺的には馬車が欲しいので、お金は遺族にあげても良いけど。


「支配人さんはどう思いますか?」

「私ですか?、この場を作った事に対して謝礼に銀貨1枚を頂ければ良いですよ、マーサー殿には馬車が行きますので!」

これで話は決まった、馬車は俺の物、遺留品の洋服は引き取って貰って、木箱と調理器具は俺が貰えた。


アコーズ商会には銀貨一枚で本当に良かったのかな?





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