第9話 最後の馬車の正体!
少しの沈黙の後に、労働者さん達は動き出して荷卸しを始める。
それに気づいた支配人さんが、俺の両肩を掴んで俺を前後に振ってくる。
「マーサーさん、これって何処にあったんですか?この近くですか、それとも遠い所ですか?」
あんまり振るから酔ってきたよ、良いから止めてほしい。
「待ってください、落ち着いて支配人さん!」
「待てません、3年前に居なくなったご隠居さんの馬車です、荷物だって別れたあの時の背後からの光景そのものです」
そんな事を言われても、俺は偶々拾っただけだよ、それも3年も前なんてそれって何なの?
「フウー、すいません取り乱しました、お茶でも飲んでお話ししましょう」
女の従業員さんがお茶とお菓子を持ってきてくれる、男の従業員さん達は下ろした荷を開けて中身を探っている。
「アレは今の代表の親御様で、此処の商会を創設した前会頭様の馬車です、ただ3年前に此処を出て王都に向かう途中で行方不明になりまして、捜査を1年間しましたけど見つからず捜査は打ち切りしました」
そうなんだ行方不明であそこに置いてあったんだね、ただ馬車は綺麗だし、荷物もある様だけど。
「今私が思い出しても、荷が荒らされてはいないと思っています、それとあの馬車は綺麗で、3年経過した形跡はありませんよ」
3年外に放置してあったら、結構雨風で帆は破れて中の荷物だって誰かに奪われている筈だね。
それが破れてた箇所一つとなく綺麗なままなんてね、何処からかタイムスリップしてきたみたいな馬車たんだ。
「支配人様、中にあった荷物の台帳と合わせまして、荷物に損傷や減りはなくて、此処から出たままの状態です」
「何か無くなっていた物は無かったのですか?」
もう一度荷物の台帳をみる、労働者さん。
「生活用品で、食料が1日分だけ無くなってますね、後は3年前と言え、まだ食べられる状態です」
凄いねまるで俺のアイテムBOXみたいに、時間停止が付いていたのかな?
そして荷が無くなった荷台に乗って支配人さんは何処かを弄っている。
「この辺のはずなんだけど、おお合った!そして……やはり魔力も合う、これで確定したな」
何かを見つけたのか、支配人さんは安堵の表情で荷台から降りてくる。
「この事を王都の会頭には、どう説明したら良いですかね?」
近くの労働者達に尋ねる支配人さん、みんなソッポを向いている。
「わ、私には分かりませんよ、そこは支配人さんが伝えてください、よろしくお願いします」
そう言って労働者さん達は、台帳を支配人さんに渡して馬車の方に行ってしまった。
次に俺の方を向いて尋ねてくる。
「困りました、そうだマーサー様、少しお知恵を貸してください、お礼は十分支払いますので、この荷物だけでも結構な金額ですので、当商会で確実にお支払いしますから、何卒助言をお願いします」
そんな事を言ってきても、俺は10歳児なんだよ支配人さん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます