通院ループ
病院の会計で、事務員を前に「次の予約はどうしますか」と問われる。体調に不安がないときほど、それを断ることに妙な罪悪感や気まずさを覚えるものだ。「まだ様子を見ましょう」という言葉は、いつの間にか終わりなきルーティンへと姿を変える。気づけば数年もの時間と金を費やしていた。そんな経験を持つ者は少なくない。今の医療システムの中で、自らの健康と家計を賢く守るための「フェイドアウトの技術」と「主体的な向き合い方」について、ここに整理しておく。
1. なぜ「断りにくい空気」が生まれるのか
病院側にとって、予約を埋めることは経営の安定を意味する。事務員はマニュアルに従って予約を尋ねるのが仕事であり、個別の医学的な必要性までは関知していない。ここで「なぜ予約が必要なのか」と事務員に詰め寄るのは、賢明な策とは言えない。話が噛み合わず、互いにストレスを溜め込むだけのことだ。
2. 賢く「ルーティン」を脱出する二つの戦略
「その場では断りづらい」という心理的な壁を考えれば、現実的なアプローチが有効になる。
「予約ずらし」による間隔の調整
一ヶ月ごとの予約を、電話で数週間後ろへずらす。これを繰り返す。医学的な経過観察の質を保ちながら、年間の医療費と時間を大幅に削ることができる。「忙しくて時間が取れない」というのは、最も角が立たない、正当な理由だ。
「電話キャンセル」からのフェイドアウト
対面で断りにくくとも、後日の電話なら心理的な負荷は少ない。病院側から変更の連絡が来たときや、事務的なやり取りの隙を突いて、「予定が分からなくなったので、またこちらから連絡する」と伝える。それが、波風を立てずにルーティンを終わらせる「出口」となる。
3. 「買い物」と同じ主権を取り戻す
通常の買い物なら、買うか買わないかの決定権は客にある。だが医療においては、「未来の健康」という不確実なものを人質に取られているようで、主導権を握りにくい。過剰な医療は個人の家計だけでなく、国の社会保障費をも圧迫する。もし「論理的な通院理由」が示されないままルーティンが続いているのなら、それは自分の意志で終わらせていい「契約」だと考えるべきなのだ。
結びに
「とりあえず来てください」という言葉に流されず、自分の時間と金の価値を再認識すること。それは決して「みみっちい」ことではない。自分の生活を自分の手で律するという、きわめて健全な姿勢だ。
もし医師に直接言いにくいときは、最後にこう伝えればいい。「体調がいいので、また何かあればこちらから予約します」
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