第4話

「なんだー、せっかく桃を見に来たのになー」




ほかにひとがいないか、彼の肩越しに見やって、むこうにひとり、犬の散歩をしている女のひとがいたのを確認してから、照れて言った。




「帰ろー。冷えてきちゃった」




「そりゃいけない」





ちかづくと、メジロたちは、やっぱり飛んで逃げていったのだけども。




まだ寒い、この季節に、メジロは、めじろおしになる、らしくて。




さっきも、ちょっと、めじろおしになりながら、私のこと睨んでた。ような。




「めじろおしー」




歩きながら、彼に、もたれて、言ってみた。




「なにおー」




むぎゅー。




ふたりだと、あんまり、めじろおし感は、ないけれども、ふざけているのが、あったかかった。




「よし、帰ったら、鳥団子鍋やるぞー」




「うわーい」




ふふ。食べるのは、きらいじゃないの。



<了>

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「鳥」 ぽふ、 @a-piece-of-harmony

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