第3話

「まぁ、あれは、ウグイスじゃなくてメジロだけどなー。ほら目の、まわりが白いだろー?」


ほーぅ。そんなことまで知ってるのか。


いえ、たぶん、知らない私が、私なだけで。


どうしても、鳥は鳥だとしか認識していないところがあって。


ちいさいころから、ずっとそうだった。ような。


カラスという鳥を、さいきんになって、かろうじて、わかる、ようになってきただけで。


でも、まちがう。


そのときは、彼が、あれはムクドリというんだよ、って、おしえてくれたりしたんだけれども。


カラスとムクドリの、違い、って、やっぱりよくわからない。


あ、また。


そんな、かわいそうな目をして、こっちを見ないで。


彼が、どんぐりを持ってきた。


「ほら、いっぱい落ちてる」


拾ってきたんだ。こどもみたい。くすくす、って、やってたら、ぎゅっと抱き寄せられた。


みゅう。

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