宝探し・04
足取りも軽い先達者に続いて、電車を目がけて飛び込む様に乗る。
「喜びそうな物は見当がついているんだろ、執事の?」
「ええと。」
執事の好きな物……料理をすること。海の生き物。チェス、合気道?
「…………何も決めていないんだな?」
「す、すいません。」
声も身も縮まる。
「もうリボンでも頭に着けて『私がプレゼント!』とかやっておけよ……確実に喜ぶだろ……」
すごく疲れた様子になった先輩。
「やりたければ、ユキフミ先輩に可愛いリボンを着けてあげますよ。ピンク色にする?」
「何でだよ!!」
「白いレースにしましょうか。」
「着けんし誰がやるか!!」
先輩をプレゼント(イケニエ)にして差し出すのは失敗。笑いながら逃げるみたいにして、目に留まった店に入った。
異国より仕入れたこだわりの品が並ぶ雑貨店。目を引くカラフルな文房具に、さり気なく凝っているキッチングッズなどを物色する。
柔らかい色合いの柄を持つスプーンやサメ柄の鍋つかみとにらめっこ。執事が使うには可愛すぎる?
「そういえば、ちょっと前。急に執事から連絡を貰ってさ。」
「へえ?」
「都合の良い時に、ゆっくりご飯でも食べに行こうって。奢ってくれるって。誘いもいきなりで心当たりなくて怖いんだが……お嬢様が何か言った?」
急に優しくしてくれる執事に恐れを抱いているらしい。確かに裏がありそうで怖いな。
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