命と寄り添い、向き合う、ということ。(このレビューは長文です)
- ★★★ Excellent!!!
作者は常々この課題を題材にしたモノをお書きになられます。
まず、この作品のタグを見てほしい。
【生き物は最期まで】
そして
【思い出】
この二つに注目してほしい。
ここに作者がこの作品を通して何を言いたいかが込められております。
この作品の冒頭で作者は知り合いから命を預かります。
でも安易に引き受けるわけではないのです。
私ならすぐに引き受けるのに。なんて考えてる人はいませんか?
作者は命、たとえそれが文鳥(この文鳥さんは9年の寿命でしたが)の儚い寿命だったとしても、その命の重さを考えて迷います。それ以外にも個々の個性があるのです。飼い主が変わっただけでストレスですぐに体調不良になる子だって少なくないのです。飼えばわかりますが、文鳥は一日エサを食べないだけで命取りなのです。
作者はこの命を預かり、何とか快適に過ごして貰おうと四苦八苦します。先住のセキセイインコのことも当然考えなくてはなりません。板挟みです。しかし作者は、預かる時にそこまで見越して預かっているのです。途中で投げ出す人や、何も考えないで、調べもしないで、仕方がない、と諦める人も少なくないのです。
【生き物を最期まで】面倒をみてやれる人にこそ飼ってほしい。そんな思いがあるのです。
だからこそ得られる【思い出】。このエッセイを呼んで、鳥って可愛いな。と思った人は少なくないはずです。これは作者が鳥をよ〜〜〜〜〜〜〜く観察して、一挙手一投足までみているからこそ、こんなにも赤裸々に鳥たちの表現が出来るのです。ただ漠然と飼っているだけでは見えてこないものばかりです。だからこそ鳥たちは安心して作者と寄り添ってくれるし、作者も鳥たちに癒してもらえると言うものです。きっとここには書ききれない【思い出】が山のようにあるのだと思います。
それこそ、今飼ってらっしゃる【オカメさん】のエッセイが無限に書けるように。
でも、怖がらないでほしい。初めは誰だって怖いのです。今は調べれば何でも分かるし、聞けば答えてくれるサイトも、獣医も充実しております。
この作品を呼んで飼ってみたいと思ったあなた。どうぞ、飼ってほしい。そしてその命と向き合い、寄り添って、触れてほしい。そこにはきっとあなたの心をぽかぽか温めるぬくもりがあるはずです。