役立たず聖女と追放されましたが、相手の『好物』が分かるだけのスキルで辺境グルメ旅をしていたら、なぜか伝説の魔獣や敵国皇帝まで胃袋掴んで懐柔してしまいました

聖女アイリスは、王城の「穢れ」を払う力を持たず、「相手の『本当の好物』が分かる」という謎スキルだけを持っていたため、役立たずとして王太子から追放されてしまう。

しかし、幼少期からまともな食事を与えられず虐げられていた彼女にとって、追放はむしろご褒美だった。
「やっと自由だ！ これで思う存分、美味しいものが食べられる！」

彼女はスキルの導くまま、辺境の町で最高のパン屋を見つけ、森で出会った伝説の魔獣（好物：極上のハチミツ）を手なずけ、お忍びで視察に来ていた敵国の冷徹皇帝（好物：故郷の母の味のシチュー）の心まで溶かしてしまう。

一方、アイリスを追い出した王城では、聖女の不在で「穢れ」が溜まり、王族たちが次々と原因不明の体調不良に。彼らが本当に求めていた「好物（＝アイリスの無意識の加護）」を失った王国の運命は……？