第3話 説教

あークソ客だ…。

午後18時、いつものホテル。


「いつまでこんなことしてるのさ。若いうちだけだよ?できるの。」


うっざ。まだ16だし私。


「…そうだよね。私、実は親いなくて…兄弟に大学行かせたいんです…だからお金貯めてて…。ってごめんなさい!こんな話…」


「そっそうなんだ…ごめんね…。そんなこと聞いちゃったらなあ…1万上乗せしとくね」


「ありがとうございます…!私…こんな話したの上田さんが初めてなの…」


"2人だけの秘密"作戦だ。

秘密を作ることで特別感を出す。


「話聞いてくれてありがとう…。2人だけの秘密にして欲しいな…。」


「もっもちろんだよ。

また来てくれるかな…?泣かせちゃったし」


「うん…!ありがとう…。

いつでも呼んでね…!それじゃあ」


ホテルを出て煙草をふかす。


「嘘に決まってんじゃん。バカオヤジ」


か弱く優しい女の子。騙されちゃって。


どんな手を使っても金を稼ぐ。

たとえ、自分自身を失ったとしても…。

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夜鷹 ゆき @yuki_kz07

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