「世界から弾き出された者たち」の切実な絆

本作の最大の魅力は、キャラクターたちの「愛すべきギャップ」。
主人公のシアンは、氷の剣を振るえば一騎当千の強さを誇る英雄でありながら、油断すると立ち往生で寝落ちし、なぜか「クネクネ」などのホラー話には人一倍怯えるという、人間味の塊のような人物。
さらに「世界から弾き出された者たち」の切実な絆を読むことができます。第1話で難しく感じるかもしれませんが、読み進めるほどに、彼らが背負う過酷な使命と、それでも失われない温かさの対比として鮮やかに解明されていきます。

王道のバトルファンタジーの爽快感と、不器用な奴らが家族になっていく「情緒的報酬」が両立した一作。
本作は、日常の疲れを「寝不足の英雄」と共に笑い飛ばしたい、全ての読者に心からおすすめできる作品です。