「え、これドタバタ系のギャグファンタジーだよね?」と油断して読んでいると、突然背後からチェーンソーを持ったマネキンに全力疾走で追いかけられる。そんな感情のジェットコースターが味わえるのが本作の魅力です。
右も左もわからない「迷イ人」の主人公・葉が、規格外に強くて最高にアホな「護リ人」の3人組(方向音痴、すぐキレる、脳筋大食い)に振り回されながら、過酷な異世界を生き抜く術を学んでいく物語。
特に推したいのが、キャラクターたちのギャップです。
普段はポンコツっぷりを遺憾なく発揮する護リ人たちが、いざ戦闘になると一切の容赦なく敵を蹂躙する姿は純粋にカッコいい。対する敵組織の面々も単なる悪役ではなく、どこかネジが飛んだ美学や重い事情を抱えており、ただの殴り合いでは終わらない奥深さがある。
そして何より、普通の女子高生だった葉が、恐怖で足がすくむような極限状態の中でどう覚悟を決めるのか
王道ファンタジーの熱い展開と、少しダークで斜め上をいくユーモアの塩梅が絶妙な一作。サクッと読めるのに読み応えは抜群なので、ぜひ彼らの「ヤバすぎる日常」を覗いてみてほしい!
本作の最大の魅力は、キャラクターたちの「愛すべきギャップ」。
主人公のシアンは、氷の剣を振るえば一騎当千の強さを誇る英雄でありながら、油断すると立ち往生で寝落ちし、なぜか「クネクネ」などのホラー話には人一倍怯えるという、人間味の塊のような人物。
さらに「世界から弾き出された者たち」の切実な絆を読むことができます。第1話で難しく感じるかもしれませんが、読み進めるほどに、彼らが背負う過酷な使命と、それでも失われない温かさの対比として鮮やかに解明されていきます。
王道のバトルファンタジーの爽快感と、不器用な奴らが家族になっていく「情緒的報酬」が両立した一作。
本作は、日常の疲れを「寝不足の英雄」と共に笑い飛ばしたい、全ての読者に心からおすすめできる作品です。