第11話 母子を救ける
レオたちの母シャルロッテは早産の影響か顔色が悪く状態が危うい。産まれた赤子もまた未熟児で生き残れるかどうか分からない状態であった。
産室の中は悲壮感が漂い、妹たちの世話係は彼女たちを抱えて母と対面させている。
(俺に何か出来ることはないか……?)
レオは焦りながらも、一生懸命考えていた。自分に何か出来るのではないかと。
転生者であり、転生特典のある自分なら、母シャルロッテと新たに産まれた兄弟を助けることが出来るはずであると。
(医学的なことは分からない……だけど、俺には魔法の才能と魔力がある……そして、前世での異世界転生モノの知識が……)
レオは、果たしてそれで良いのか?と疑問に思うような根拠を元に、母と兄弟を助ける決心をする。
レオは身体の中で自身の魔力を練っていく。そして、練り上げた魔力を丹田に集中させる。
丹田に集まった練り上げた魔力を自身の両手の人差し指へと流して行く。
両方の人差し指から魔力を少しずつ出して魔力の糸を作る。その魔力の糸を魔力操作で動かして、母のシャルロッテと産まれたばかりの赤子へと向かわせた。
母子に両手の人差し指を向ければ、魔力操作も簡単なのだが、明らかに怪しい動きである。もし、自分の魔力で2人が助かったなら、大騒ぎになるだろう。
そのため、怪しまれない様に自然体で魔力操作を行い、母と兄弟に魔力の糸を向かわせなければならなかった。
レオは魔力の糸を操作し、まずは母に到達する。まずは母の身体に繋げて、母の魔力の回路へと接続させた。
次いで兄弟に到達した魔力の糸を同じく赤子の魔力の回路へと繋げる。
レオは両者の魔力の回路に繋げて、少しずつレオの魔力を流していく。すると、両者の魔力の回路を通じて、身体の状況を把握することが出来た。
結論から言うと、早産の赤子の方が状況は悪い。生命力が弱っており、魔力回路に流れる魔力も弱いからだ。
母も魔力回路に流れる魔力が弱っているものの、元々が大人であることから、出産に伴って傷付いたり弱った箇所を魔力で回復を促してやれば良い。
レオは赤子には少しずつ魔力を流し、魔力回路を活性化させていく。いきなり赤子に多く魔力を流し込むと事態は悪化してしまうだろう。
なので、少しずつ魔力を流して赤子の生命力を高めていく。
母のシャルロッテに対しては、魔力を注ぎながら、母の魔力回路を修復していく。修復しながら、母親の治癒力を高めて、損傷した身体の回復を促していった。
人の魔力回路に介入して操作するなど、遥かに高度なことであり、この世界で出来る者など数えるほどであろう。
それを2人同時に、しかも弱ってる人間にやるなど、本来は不可能である。この様な神業とも言える魔力操作は転生の特典と言えるのかもしれない。
レオが2人の魔力回路に介入したことで、徐々に2人の状況が変わっていく。
母シャルロッテの顔色は段々と良くなり、寝始めてしまった。赤子も同じ様に大人しくなっていったものの、危険な状況では無くなった様だ。
「一体、何が……神々の御業か……」
先程まで危険な状態だった母子が、段々と健康を取り戻したことで、医者は戸惑っている。
取りあえず、母子の状態に危険が無くなったことで、安静にするため、医者と世話係の使用人を除いて退室することとなった。
レオは自室に戻るとベッドに倒れ込む。余程、疲れたのだろう。
転生者の特典とは言え神業の様な行いはまだ幼いレオにとって大きな負担だったはずだ。
母と兄弟を救ったレオはそのまま泥のように眠ったのであった。
転生貴族は分家として気ままに生きたい 持是院少納言 @heinrich1870
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