学校が舞台となっているお話です。
誰にも使われていない廊下端に置かれているロッカーには張り紙が張られています。
「絶対に開けてはいけません。」
この文字を見た主人公の蓮くんのクラスメイトはロッカーを開けようとします。
その際、担任の先生が現れるのですが、普段温厚な先生は人が変わったように生徒たちにきつく当たります。
驚きつつも、ますますロッカーの謎が気になる生徒たち。
担任の口から出た言葉は「連れていかれる前に」。
翌日、蓮くんが教室に入ると教室は騒然としていて……。
してはいけないと言われたら、それがしたくなる。
誰しもその経験があると思います。
このカリギュラ効果につき動かれたクラスメイトと蓮くんの結末は、ぜひその目で確かめてみてください。
「お手を触れないでください」
こう書いてあったら、なんでか触りたくなりますよね。
何かボタンがあったとして、
「絶対に押さないでください」
こう書いてあったら、なんでか押したくなりますよね。
で、学校に誰も使っていないロッカーがあったとして、
「絶対に開けてはいけません」
こう書いてあったら、とにかく開けたくなりますよね。
——こういうの、「カリギュラ効果」って呼ぶのだそうです。
これは、このカリギュラ効果にとらわれた少年たちのお話です。
このロッカーにはあるものが入っているのだそうですが……「どちら」様でしょうね……?
2000字ほどの掌篇でありながら、読後しばらく考え込めるお話です。ぜひぜひ。