第7話アロエ先生

「まずは、ここノンフーライ王国。かなり伝統のある国で大きいわ」


「ふーん、ノンフーライ王国か当たり前だけど日本じゃなさそう」


「ン? にほん?」


「あ、いやなんでも」


「ノンフーライ王国には王族と四大貴族と呼ばれる4つの家門があって、それぞれスプリングロール家、サマーロール家、オータムロール家、ウィンターロール家」


 あーーーーでた。たまたま被ってたやつ。ほんとに意味がわからない。


「んで、ここでは詳しくは言わないけど、それぞれの家門で得意とされる魔法に違いがあって、それぞれの得意分野を活かした産業を受け持つことでこの国は回ってるんだよね」


「なるほどなるほど、役割分担をしているってことかな」


「まぁ、だいたいそんな感じね」


 まあ、よくある話だな。


「でもねぇ、みんな仲良しこよしってわけじゃないのよね。どうしても馬が合わない家門もあるのよね」


 まあ、これもよくある話だな。


「まあ、今はよくわかんないかもしれないけど、ここにいたら嫌でもわかってくるわよ」


 あーー、またこれもよくある話か……じゃなくて。


「え、俺ここに居座るつもり無いんですけど」


「ん?」


「だから、日本に帰りますよってことですよ」


「なるほど?」


 やっとわかってくれたか。

 七百十一の春巻きも食べたことがないような人のところにずっといるもんか。


「それは厳しいわね」


「なんで?!」


「わからないからよ。帰り方が。というかあなたがなんで日本というところからきてしまったかも謎なのよ」


「……」


 詰んだ。

 帰れない……?


「あの、七百十一っていうコンビニどこにありますかね?」


「無いわね。私の知る限りは」


「ああああーーーー、しんだ詰んだもう無理。俺の習慣。終わりだ」


「そんなこと言わないの。無いなら作ればいいでしょ」


「そんな簡単に言わないでよ、春巻きだったらなんでもいいわけじゃないんだ」


「じゃあ、なんなら七百十一作っちゃえ]


「はぁ、何いってんのお前それはお前が七百十一を知らないから言えるんだ。あんなものそう簡単に作り出せる訳が無い」


「やってみなきゃわからないじゃない!」


「むーりだ! あーーもう帰りたい」


「私だって返してしまいたいわよ! あなたみたいなやつ!」


「さっさと帰ってやる。春巻きがないこんな世界俺にはいらないんだよ」


「勝手にしなさい」


 アロエは勢いよく扉を締めて部屋を出ていってしまった。



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