14 繰り出せ、炎雷爆葬(ブレイズサンダー・バースト)!
「言っとくが、俺がタンクトップ着てるのは暑いからじゃねぇ、服の袖が解けちまうからだ」
ザイードの両手が前に突き出された。
ヒースとザイードは、既に決着のついたミツヤたちから十数メートル離れたホールの端で暴れていた。
「――さっきのよりデカいのをお見舞いしてやる!
するとザイードの開いた両手の平から、地鳴りのような音とともに
ヒースは
「くっそう、
炎を
「……な、なによ、あれ……!」
ザイードの蒸気や
「アラミス、あいつら正面から焼き合うつもりじゃないわよね……?」
「放っておけばやりかねないな。だが――」
熱気が肌を刺し、息をすれば肺の奥が
視線の先で、ヒースが
「ミッチー! やったのか!? てかその肩!?」
「かすり傷だ。それよりアラミスの作戦だ」
どちらもザイードから目を
ザイードはミツヤを見た途端、まさかという目をして後ろを振り返った。するとアラミスがマルコスの両手両足に銀の手錠を付けている――
「冗談だろう……? こんなガキに
1つ大きく息を吸ったザイードは両腕をヒースとミツヤへ向ける。
「小僧、よくもやりやがったな! だが俺はああはならねぇ!」
何かを察知したミツヤはジェシカへ叫ぶ。
「ジェシー! もうドアは開くはずだ! 今すぐ全員を連れて退避だ!」
その言葉に館内の全員がドッと出入口のドアへ押し寄せる。白装束の重傷者は対策部隊の隊員たちが運びだし、アラミスは意識のないマルコスを担いで最後にホールを抜けた。
その直後――ミツヤを狙ったザイードのジェット
「大丈夫か、ジェシーちゃん……!」
「うん。けどヒース……ミツヤ……あんたたち、今から何する気……!?」
ジェシカはドアの向こうに目を向けた。灼熱のホールに残されたのは背を向けたまま一歩も引かない2人だけ。嫌な予感だけが胸の内で膨らんでいく。
「そうだな。確かに――温度自体はザイードの方が上だ」
ドア越しに館内を
「え? アラミス何やってんの……?」
「ザイードの熱は
「そんなぁ……!」
「まぁ、見ててみな」
アラミスはそう言うと、噴水の水をバケツ一杯分
「頼むぜヒース、ミッチー。この一手はお前らにしか出来ねぇ!」
そう言いながら、再びホールの中へ駆け込み、バケツの水をザイードの足下へぶちまける。それを見たザイードは顔いっぱいに口を広げ、牙を
「フハハハッ……水かよ。その程度の量で俺を止められると思ってるのかあ!?」
景気よく笑うと、ザイードは再び
ところがヒースは炎斬刀に炎を走らせ、ザイードの正面に立ったのだ。
「いい度胸してんな……なら真正面から受けろよ」
ザイードの体から、ヒースと同じオレンジ色の光が包みはじめ、どんどん色が濃くなっていく。
「消え失せろォ!
「くっ……なんて圧だ――けど諦めねぇ……!」
それは水蒸気を使った作戦だった。床に広がったバケツ水はもちろん、ザイードの放った水蒸気、館内全体の湿気までもが一斉に蒸発し、白い蒸気が爆発的に
ヒースはそのタイミングで炎斬刀から
刀を地面に突き刺し、全力を叩き込んだ。
「これを食らって立ってたヤツはいねぇ!
ズ――――ドンドンドンドンッ……ドガアアアアアア――ッ!
炎の爆発が地中を伝うように連続して発生し、床を砕きながら前方へと進む。その数メートル先にいる者は
「ハハッ、それがどうした!
案の
その一連の彼らの攻撃を見ていたアラミスがフッと笑った。
「……来るぞ」
アラミスの視線は、次の一手を待つミツヤへ注がれる。
「なにが?」
ジェシカは両眉をぎゅっと近づける。
「あいつの雷は別枠だ」
「別枠?」
「物理法則を守る気がないんだ」
「……え?」
「
その言葉に合わせるように、ミツヤの周囲で雷が
「つまりだ」
アラミスはジェシカにだけ聞こえる声で続ける。
「熱で押してくるのはザイード、ルールをぶっ壊すのがミッチー。そこへヒースの特大炎ってわけさ……!」
ジェシカは、はっとして前を見た。ヒースが一歩踏み出し、
ミツヤがその斜め後ろで、黄色い光を纏わせた手に雷のエネルギーをボール状にしていた。
「ウソ……アレをやるの? こ、この建物の中で……!?」
ジェシカは、拳を握りしめた。
アラミスが口の端を上げた、その瞬間――ヒースとミツヤの声が
「タイミングを逃すな、ヒース!」
「オッケイ――今回は派手に行くぜ!」
それは半年ほど前、アラミスの提案で初めて、水の
「……自分の防御が『檻』になる気分はどうだ!
ミツヤのバレーボール大の
稲妻が、
「何をやってる!? 見ろ、何万ボルトか知らねぇが壁と俺の空間は2メートルもあるぜ!」
何も気づかないザイードの前で、空気は確実に変質していた――音もなく、水素ガスが発生したのだ。
「……
ヒースはが炎斬刀に炎を走らせ地面に打ち付けると、炎が帯状に対象へ向かって地面を
「キッチリ受け取れよ! これが
一直線に走った炎が蒸気の塊へ触れた――その瞬間。
ズドオォォォォォォォォン――――ッ!!
世界が白に塗り潰された。
内側から
ザイードの叫びは、蒸気の内側で起きた爆発に
***《次回予告》***
ヨハン:サ、サイモン殿おおおおおお――ッ! あれは何でありますか――ッ!?
サイモン:イントルーダーの恐るべき
ヨハン:サイモン殿、これだからイントルーダーを
サイモン:――いいかヨハン。その回答はこんな次回予告の場で告げるのはあまりに不適当だ。次回にまわすぞ。
ヨハン:さすがサイモン殿、あのヒースとミツヤ達イントルにビシッと言ってやりましょう!
サイモン:……そこが君のいいところかもしれないな。次回第15話、「カスのリーダーは信頼の証」。
ヨハン:全国のサイモン&ヨハンのファンの皆様、我々との最後の集会でお会いしましょう!
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