変態市長の弁明!!!

立花 優

第1話 変態市長の弁明

ここは、市役所での緊急の記者会見場だな


そう、この俺は、ラブホテルで、我が市の女子職員と遭っていた


それは、まごうことなき事実なのだ


別に、逃げも隠れもしねえよ


この俺は、頼んでもいないのに、某政党の党首から


いわゆる、三馬力選挙の応援を受けたのだ


そう、自分自身と、某政党の党首と、そのYouTubeを見た選挙民から


多大な応援を受けて、見事に、この市長選に当選した


だから、どうだと言うのだ、この何処に文句が有る?


この俺は、ものの見事に、当選したのだ


二位じゃ無かったのだ、二位じゃ駄目だったんだよお


だが、ものの見事に、当選したのだ


だから、女子職員と、職場で遭おうが、何処で遭おうが、何を言われる事があろうか


ラブホテルの何処が悪いのだ


何がいけないのだ


美しいベッドと、綺麗に磨かれたユニットバスの中で


裸の付き合いも、時には、息抜きに必要だろうが……


何、これに、道義的責任を感じるかって?


いや、何にも感じねえ、全く感じねえ、超感じねえ、全然ねえ


別に、男と女の、裸の付き合いで


その若い女子職員も、自分の意思で付いて来たのだ


まだ、嫁入り前の独身なのだが


だがさ、この俺は、極極、真面目人間なのだ


彼女は、奥まで入れてと言ったが


この俺は、入れずに入口で、我慢したのだ


相手の事も考えていたからだ、極薄いゴムを付けてだよ


ここまで、紳士的な、この俺に


道義的責任が、一かけられも無いと言うのかい?


そこの、前列の顔の色の白い記者さんよ


あんたは、知っているのかい?


若い女性の、あの花園のラビリンスを?


再度、聞く


前列の記者さんよ、あんたは、若い女性の花園のラビリンスに


己の、いきり立つ、一物を


実際に入れてから、この俺に、質問したのかい?


この俺は、三馬力選挙で、確かに多大な民意を得た


つまり、誰にも恥ずかしくも無い、現職の市長なのだ


妻も子もいない、身綺麗な独身者だ


何だって?


ネット業者に応援を頼んだだと?


バカを、休み休み、言え


この俺は、超一流大学の法学部を出たのだぜ


その俺が、法律に抵触するなど、有り得ないでは無いのかい


そうは、思わないかい


そこの後ろの、黒い背広の週刊誌の記者さんよ


そう、これが、この俺の、弁明だ


全世界を敵に廻そうがだ


入れずに入口で我慢したこの俺、つまり現職市長のこの俺の弁明は


あのソクラテスよりも、明確な筈だ


再度、言う


この俺の弁明は以上だが


少なくとも、花園の中にまで入れていない以上は


この俺の弁明は、あのソクラテス以上として


後世まで、記録され、残るだろう


顔を洗って、出直して来いよ、記者さん達よ


かくも些細な事に、貴重な時間を使うなよ


恥を知れよ、恥を


今、この俺を待っている多数の市民がいるのだから……


働いて、働いて、働いて、働いて、働き続けなければならないんだよ


それでも、気にいらなければ


散弾銃でも自分で作って、ここにまで持って、やって来い!!!

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