ロマンシング・カクヨム戦記

目の前に広がるはAI文章の海。前人既到のこのさざ波に気負うこともせず、覚悟を胸に、カフェインをバッチリ摂取してきたはずの少年は呟く。


わい「今日こそ読破するぞ🙋‍♀️いえー」


そう意気込む少年の手元はやや震えている。武者震いではない。ここに少年の胸をときめかす、夢のきらめかす、ハチャメチャなドッキリはない。チャラいヘッチャラなのである。


ゆえに、力が抜けていってるのである。あまりの冗長さに、意図の無き、おそよ文章とは言えぬ文章の前に。


アルコールの如き蠱惑の文字列。少年は今宵、戦うは、毎晩くつろぐ淫夢でもなく、童貞を奪わんとするサキュバスでもなく、二度寝必至の毎朝の儀式でもなく、声なき声の羅列。


わい「まるで現国の授業のようだ😰ぐぬぬ…」


定期テストのために、内申点のためにとせっと板書をコピった中学時代、あの労苦を思い出させるは古戦場たる、この作家群の織りなす、感想文なり。


少年が思ふに、きっとその文章は「現国の授業って先生の感想文の丸暗記だったよなー。あれって主観の押しつけで、一種の洗脳だよな。ひろゆきがいたら“それってあなたの感想ですよね“って目をパチクリさせながらつっこんでくれるのになー」と評価するであろう。


平板な言葉の羅列が矢嵐かと言わんばかりに、少年を襲いかかる。生成されたはAI由来。心は揺らぐことなく、意志のみが揺らいでいまう。意識も絶え絶えに。この戦場は数々の古強者が暴れるAIに特化した村。


村上春樹でさえ村八分にあいかねない。ナイスムラカミってスーパーなら多分納品しない、栄養価の薄い代物。ひろゆきならこう言うだろう。


ひろゆき「えー、嘘言うのやめてもらっていっすか?www 僕のほうが絶対にあなたより詳しいんでwww」


茶髪の男が論破される名シーンが、心の折れかけた少年を支える。どちらも、サンプル数1の感想文に過ぎないことに、少年が理解できるようになれるのは数十年以上、先のことである。統計学なき現代にドロップ・キック必須なりかし。


かくして、彼の地は少年の安眠の地であった。不眠症で悩まされた過去を持つ少年は睡眠導入剤から解放された。


勇者はここにはいない。あるのはAIによって踊らせようとする村人達とAIによって踊らされる村人達だ。


しかし、少年の幸せそうな寝顔は、村人達とは少々趣が異なることに賢明な読者はお気づきだろうか。


無限の文がここに在りけり。

希望がきっとここに在れかし。

そう思いたいと思った、

守銭奴どもの夢の跡と

少年の夢への導きに

救いあれ。

嗚呼、精霊よ!

かの者に力を与え給わん。


って、精霊もトンズラするわ…すわっ🙋‍♀️

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