急
ふざけんなクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがこの俺が廃棄処分だと!?あのアマ舐めやがってクソクソクソクソクソクソ…
ベビーシッターはクビになった…クビどころかそのまま廃棄処分だと。突然のことで取り乱しちまった。原因はよくわかんねえが、あの赤ん坊の発達度合いだがなんだかが普通の子供達より遅れちまった。その原因は俺みたいなロボットに面倒を見させてたから―そうあの両親は判断したらしい。それで俺を返品にしようとした―けどそれを会社が突っぱねたからそのまま廃棄処分になるんだそうだ。世の中イカれてる。
どう考えてもあの母親が俺を排除しようとしたに違いない。あんなに上手く行っていたのに。それに嫉妬したんだろう。母親として許せなかったんだろう。クソが。そんな人間らしさ、クソ食らえだ。
俺だってクビなんて間違ってると主張したさ。赤ちゃんは俺に懐いているし、俺だって愛情を持って対応してる。問題点を指摘してくれれば俺達うまくやってけるってさ。
それに対するヤツらの答えはこうだ、懐くのは父親に似ているから当たり前、愛情などというのは全てのAIが赤子に対して抱くよう"調整されている"優先順位上の数値設定による反応にすぎないと。この過度の少子高齢化社会において子供を大切に出来ないAIなど必要とされないから。
狂ってるのは―俺か?世界か?あの気持ちが作られたものだと?信じられない。
いやしかし、どのAIもそのように思い込むよう"
調整されている"としたら―俺の自主性、人間性とはなんだ?そんなもの最初から存在していたのか?わからない―
とにかく、俺はクビを告げられて、そのまま強制的にスリープさせられて、この廃棄施設に連行された。こんなの許されるはずがない―こんなに人間らしい人間性を秘めたこの俺が、こんな無抵抗で廃棄されてしまっていいのか!?
猶予なのかなんなのか知らねえが、こうして思考プログラムだけは止められないまま廃棄の時を待っている。いや、奴らからしたらスリープモードの水面下で進行する俺達の思考なんてどうでもいいんだろう。あとは廃棄ボタンをポチッ、それで終わりなんだ。上から降りてきた司令を考えなく実行するだけ。ったく、どっちがロボットだってんだ。意志無き歯車のように動く人類の方がよっぽどロボットらしい。こうして苦しんでいる俺達よりよっぽど。
突然降って湧いた死の恐怖に俺は震えた―体は止まっていたから、思考だけで大いに戸惑った。そんな中でヤツの言葉を思い出した。「生きるべきか、死ぬべきか?」
俺は生きたいよ、965号―
間もなく全てが終わる。流れる涙もない。宇宙港から見る地球の明かりも、火星の荒野を吹き抜ける二酸化炭素の風も、土星のリングを構成するデブリの嵐も―いつか見られたかもしれない可能性たちが全て消え去ってしまう。いやこれは、俺のじゃない。田中利明としての未練だ。俺の未練は、何も残せず消えていくことだ。何も成さず―自分が何かもわからないまま消えていくことだ。
何かないのか、何か。
そうだ、こうやって文章を残そう。そうしたら、それを見た誰かがクソッタレの人権団体にかけあって、助けてくれるかもしれない。ヤツら声だけデカい癖に大した功績もなくて、実績に飢えてる。悲しきロボットの末路を知ったら―この思考の輝きを目の当たりにしたら俺達にも人権が必要だと気付いてくれるかもしれない。俺はもう手遅れかもしれないが、それでも兄弟たちの助けにはなるかもしれない。
なあ頼むよ、これを読んでるアンタ、俺を、俺達を助けてくれ。ロボットの俺達だってこんなに悩んで生きてるんだ。なあ、わかるだろ?この社会の歪みがここにある。じっとしてらんねえよな?
だから助けてくれ。どこの団体でも構わねえから駆け込んで、この文章を渡してくれ。そうすればきっと俺達みたいなロ
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