終わりに

 廃棄処分されるロボットの機密処理を行う過程で、作業員は謎のドキュメントを発見した。ちょっとした短編小説ほどあるそれは、どうやら搭載された人格AIによって記述されたものらしい。

 中を見ると、詩のような小説のような、彼が感じた、考えたと思われる内容が記載されている。要するに日記と呼ぶべきものだろう。AIも日記を書くのか―作業員は少し驚いた。

 一読して大した内容ではなかったので、上に報告するまでもなく作業員はこのドキュメントを含んだ全てのデータを削除し、このロボットの廃棄処分は完了された。なんの感慨も悲壮感もなく、クシャクシャに丸められた鋼鉄の塊がスクラップ工場にごろりと転がっていた。

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ホワット・ウィー・シンク・ホワット・ウィー・アー @tamabashi

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