「白魔法」の常識を覆す!映像美と心理描写が光る異世界ファンタジー

全体として描写力がものすごく高くて、没入感のある素晴らしい作品でした!

特におすすめしたいのは、独創的な魔法の表現です。
ただ呪文を唱えてピカッ!で終わりではなく、精神世界の「黄金の麦畑」に入り込んで、患部の熱を「火事」と捉えて井戸水で消火活動をする……というプロセスが映像的ですごくユニークなんです。

また、「軽さ」と「重さ」の対比も見事でした。
マリアンの天然なキャラと、終盤で流れ込んでくる兵士の記憶(農民としての葛藤や死生観)の重厚さ。
このギャップが物語に深みを与えていて、ただの明るい異世界転移モノではないドラマを感じます。
続きが読みたくなる、とっても魅力的な導入でした!

気になった点をあえて挙げるとすれば、主人公マリアンの「私っておバカ」という自虐的な独白がちょっと多めなところかな?
シリアスな戦場の場面との温度差に、最初は少し戸惑うかもしれません。
ただ、その軽快さが重苦しい描写をいい具合に中和してくれているので、結果として読みやすさにも繋がっていると思います。

とても幻想的で綺麗なイメージの作品なので、表現に注目して楽しむと良いかもです。

その他のおすすめレビュー

多嘉照さんの他のおすすめレビュー32