第2話 誘惑
「今回対バンLUSHだろー?なーんかアイツら合わねーんだよなあ」
「分かる分かる。頭でっかちな感じ。俺ら聴く人選んでますってな。」
「まずリーダーが教授とか呼ばれてんのがなあ。世界のサカモトかよって」
「あー、リアル先生みたいよ。国語の。」
「成る程ねー。からのあのリリックな訳ね。意味わからんからなあ俺。」
「安心しろ。俺も分からん。」
「俺テクノとか分からんもんなー」
「うちはテクノポップね。」
「げっ!世界のイノウエ…」
「僕らまだ世界行ってないから。まあ、人気は君らには到底及ばないからお手柔らかにね。」
「ドーモ。宜しくでーす。」
「凄えなあの感じ…」
「鋼だね。メンタル…」
「まあ俺らも頑張りましょ。」
「エルのハイトーンボイスであいつら蹴散らしてくれ…」
「他力本願は良く無いぞ…」
「お疲れー。まあ良い感じだったかな?」
「そだね。まあ頑張ったね。始まる前にあの感じだったけど…ラップバトルにならなくて良かったな。口じゃ勝てんぞ教授には。」
「だな。まあ、悔しいけどアイツらも盛り上げてたし、今回は良かったんじゃない?」
「打ち上げどうする?」
「まあ、とりあえず顔は出すけど…何か色々疲れたから早めに抜ける。」
「オッケー。とりあえずエルが参加する事告知しとく。」
「何だかんだでみんなに良いように使われてんだよなあ俺。釣り餌扱いだよなあ。今度からルアーって名乗ろうかな。」
「まあ、お前もタダで良い思いしてんだから、周りにも施しを与えとけ。俺は手を出さんがな。」
「お前の一途アピールは聞き飽きた。」
「いい加減良い相手見つけろよな」
「毎回見つけてるぞ?」
「意味が違う…」
「今日は楽しかったよ。隣が女の子でなくてごめんね。」
「そりゃどーも、教授。今日は疲れたんで隣が女の子でなくて良かったです。」
「ははは、気を使われてないって事ね。仲良くなれたのかな?僕ら」
「まあ、そう言う事にしときましょ。」
「しかしエルくんはやっぱ声凄いね。プロになるの?」
「うーん、まだ考えて無いっすねー。学生だし。」
「そうなんだ。でも何か勿体無いなあ」
「何が?」
「僕ならエル君にもっと合う曲作れると思うけど?」
「…取り込もうとしてます?」
「ははは、まあ、LUSHには合わないかな?エル君は。」
「ですよねー」
「エル君の為の場所が他にある気がするなあ。」
「何か狙われてます?俺」
「どうだろねー?」
「有名ですよ?教授はソッチだって」
「あはは、確かにソッチだね僕は」
「俺、女好きなんで無理ですよ。」
「そりゃ残念だ。」
「どこまで本気なんだか全然わからんなあ。」
「まあ僕はエル君よりは大人だからね。簡単に解られてもつまらないかなあ。」
「ですよねー。」
「それじゃ俺はこの辺で。」
「またいつか一緒にやるの楽しみにしてるよ。」
「はーい、それでは。」
はあ…何だか結局疲れたかも…
「あの…エルさん?」
「はい?」
あっ…神崎さんだ…打ち上げ来てたんだ。
教授が強すぎて気づかなかった。
てか俺ってバレてるかなあ?
「今日も、凄いカッコ良かったです!」
「あ、有難う…」
これ気付いてないか。
てか普段つよギャルなのに変な感じ。
「あの…噂ホントなんですか?」
「なんの?」
「その…ファンの子と遊んでくれるって…」
えー。
「だったら?」
「私じゃダメですか?」
神崎さんと?
うわーどうしよう。
ちょっと面倒かも…バレた後とか学校とか…
「キミ…まだ若いでしょ?」
まあ同い年ですけど。
メガネ取ってウィッグ付けてると老けて見られるから年上気取っとこ。
「青葉です!」
うん、知ってるから名前は。
「ずっと好きなんです!エルさんが!」
えー。
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