山崎くんと神崎さん

水嶋

第1話 南瓜葡萄酒

「ねぇ…エル、ホントにもう遊んでくれなの…?」


「知ってるでしょ?俺同じ子と2回は寝ないって」


「…」


「凄く良かったよ、えっと…リナちゃん?またライブも来てね。」







「エル、相変わらず入れ食い状態だなあ。裏山。」


「まぁね。妬くな、男の嫉妬はダセーぞ?」


「これ嫌味だかんね。呆れてんの。俺彼女一筋だから。」


「これ敢えてだから。一回遊ばれて終わりで平気な女しか要らなーい。面倒だし。性欲満たされたらそれでいーの。お互い様の相手しか要らないから皆様にお知らせしてんの。」


「それ、但しイケメンに限るってヤツだろ?やっぱ嫌なヤローだなお前。」


「今知った?」


「前から知ってた。」


「あっそ。」



「しかしお前、そんなタバコ吸ってて良くあんな声出せるよな。」


「まあ、顔も声も天から授かりし選ばれた者なんだろ?」



「やっぱ嫌なヤローだなお前。」





○○○○○○○○○○





「山崎〜!なあにやってんのー!もー!あはは」


「何か間違っちった!何でだろー?」


「相変わらず鈍臭いなあ〜あはは!」


「こうやんなきゃダメでしょうがーおバカだなぁ」


「まあそこが愛されキャラだよねー!」


「もっと愛して〜!凄〜く愛して〜!」


「なに時代のCMよそれ〜あはは」




「くんくん…何か山崎、タバコ臭いぞ〜!?不良か〜!?」


「俺居酒屋でバイトしてるから〜!昨日遅くに帰って疲れてそのまま寝ちゃったからゴメンちゃい!えへ」


「山崎がタバコなんて吸う訳無いじゃん!あはは!」


「こんな厚底メガネでさあ」


「こんなボサボサ頭でさあ」


「こんなネクタイカッチリ締めちゃってさあ」


「こんな太士って名前の癖にガリガリ君ででさあ」


「あり得ないからー!あはは」


「みんなひどーい!悪口しか言ってないー!」


「みんな山崎が可愛いって言ってんのー!」


「うっそだー!」


「ホントホント!」





「リコ、今週金曜行く?」


「円寺ワープロケット?」


「うんうん、エル出るよ!」


「うーん、金欠。」


「えー!一人で行くの怖いから今回ウチもパスしよっかなー。」


「ごめんね〜次は行くから。バイト頑張る!」


「そだよー!山崎見習いな!」


「なになに?何か知らないけど俺褒められた?やったー!」


「褒めてねーから!ちゃんと風呂入って寝ろよ!あはは」





「千春ー!公民の教科書持ってたら貸してー!忘れたー」


「マドカ、一応教科書持って帰ってたんだね。まあ、いいよ。貸したげる」


「サンキュ!大好き!」


「そりゃどーも。」


「河口サーン!英コミの教科書あったらウチも借りたいー!」


「ギャル仲間の神崎さん…しょうがないですねえ。はい。」


「わあ、さすが河口書店!有難トン!」


「ハイハイ。お代はやーいお茶で結構ですよ。」


「渋いねえ。河口サン。お茶だけに。」





「ねえねえ、アオバー!know Aってバンド知ってるー?」


「うん!知ってるよー!結構好き!」



「今度の金曜さー、高円寺の…」

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