第3話 どっちも本当?
「ずっとって…いつも来てくれてたんだ。アリガト。」
結局ホテルに来てしまった。
普段と違う行動したら怪しまれるかなってのと
どうせ一回ポッキリだし何とかなるっしょてのと
まあ、ギャルだし慣れてるっしょってのとで。
とりあえずキスをして…
って…何か…
んん?
下手?神崎さん。
流れで脱がせたら…
顔が真っ赤なんですけど…
ギャルだよね?神崎さん…
てか敏感だね。
ちょっと身体弄っただけで声でてる…
とりあえず下も…
んん?
「ナカ…狭いね…」
「…」
「もしかして…ハジメテ?」
「…あっあぁ…うん…」
えー。
とりあえず指入れちゃったからイかせた。
「初めてイった?」
「ハア…ハア…うん…」
「じゃあ、もうここで終わりね…」
「えっ!?」
「俺、初めての子とはヤらないの。初めてとかそう言うのは本気の子とシて?」
「アタシ…本気だよ!?」
「うーん、俺は誰も本気じゃないから…ゴメンね。」
「…」
そう言って俺は服を着た。
「じゃあね。」
神崎さんを置いてホテルを出た。
もう今日は色々疲れた…
「河口サン、こないだはアリガトー!これお裾分けー!」
「神崎さん、何ですか?コレ…」
「調理実習でねー!作ったからお礼だよ!」
「コレは…特級呪物ですか?」
「トッキュー?クッキーだよ?」
「クッキーてこんな禍々しい物でしたっけ?」
「形は悪いのは認めるよぉ〜。でも味は大丈夫!ちゃんと皆と同じ分量で作ってるから!」
「はあ。まあ神崎さんが私を呪殺さないと信じて頂きます…有難う御座います…」
「また何か忘れたらお願いねー!」
「はあ…これで交渉されるなら市販のお茶の方が有り難いですが…まあ、分かりました。」
神崎さん…
それは世間では有難迷惑って言うんだよ…
と思って遠目に見ていたけど、見た目の予想通りに不器用でちょっと可笑しかった。
まあ、悪い人では無いんだろう。
まあ、神崎さんとはクラスも違うけど、念の為俺は身バレを恐れてなるべく近づかない様にしていた。
○○○○○○○○○○
そもそも何で俺はこんな二重生活をしているのか。
俺の素は学校での姿が近い。
本来は学校で周りが思う俺のイメージの通りだ。
正直鈍臭いし、性格も人懐っこい。と思う。
かなり手先も不器用で注意力も低くて昔からつまずいたり怪我とか多かった。
家庭科とかヤバかった。
俺の指は羊毛フェルトなんかって位に針で指を刺しまくって血まみれだった。
だから神崎さんのあの呪物は結構共感持てた。
たまたま遊びでテックトックに歌ってみたって動画をアップしたらかなりバズってしまった。
恥ずかしかったんでメガネ外してウィッグつけてたんだけど、その見た目も何かウケてたみたいだ。
俺は極度に視力が悪いのでメガネを掛けると目の大きさがかなり変わる。
メガネも地味で太めの黒縁でレンズも大きいものを使ってるので、目の周りが大分メガネに覆われていた。
だから、メガネを外した姿だと俺だと気付かれなかった。
その動画がキッカケで今のバンドに誘われた。
まあここは所謂2の線って言うか、女の子のファンが多いバンドだった。
本当はコミックバンドみたいな方が良かったんだけど…
俺の声のイメージにはそれは合わないかもと客観的に分析していた。
まあ、どうせならアッチの世界の俺は虚像なんだから、真逆の人生を送ってみようってあんな感じにやっている。
アッチの世界は歌って女の子と遊んでれば良いんで不器用さや人柄なんか気にし無くても良い。
それはそれで楽だった。
あれはアレでそれなりに楽しい。
学校での生活も楽しい。
だからどっちの世界も壊されたくは無い。
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