第6話 祭司との勝負,水香肉体を得る
ー 祭司の屋敷 ー
応接室で,ビルカとユズハの体を憑依した水香は,2名の秘書から引き継ぎを受けた。だが,その引き継ぎは,ものの10分で終わった。食事は村人が毎日持参するので,それを受けとる仕事が,主な仕事となる。あとは,祭司から言われたことをするだけ。それが引き継ぎだった。
引き継ぎが終わって,2名の秘書たちは,さっさと自分たちの家に戻っていった。
応接室でポカンとしていると,祭司がやって来た。
祭司「さて,お互いの自己紹介といこうか」
このとき,ビルカが水香に念話した。
ビルカ『女王さま。この祭司,神人です! 年齢もたぶん1000歳を超えているようです。 伝承戦闘服がビンビンと反応しています。戦って倒したいと切に訴えています』
水香『あら? そうなの? 分かったわ。そのうち,戦うチャンスを作りましょう』
そんな念話をしている一方で,祭司は,爆乳のビルカよりもDカップのユズハの体を憑依した水香に興味が沸いた。あんな短時間で犯人を探り当てるなど,なんらかの異能力者に違いないからだ。そこで,祭司は,『ユズハ』に聞いた。
祭司「さて,見事犯人を探り当てたユズハさん。あなたはわたしが誰だか分かるのかな?」
水香は,ビルカに教えられたことをことを伝えた。
水香「神人でしょう? もう1000歳くらい? たぶん,心臓の鼓動を大幅に低減しているはず。すごい能力だわ。本来なら仮眠状態になってもおかしくないのに」
祭司「・・・」
まさか『ユズハ』がそこまで見抜くとは思ってもみなかった。
祭司「そうか。そこまで分かっていたのか。ならば話は早い。わたしの本当の名前はアンフィという。もう2千年も前に神界から追放された。最初は,大陸にいたのだが,その後,覇権争いがあって海に逃れた。そして,この島を発見した。当時の島は,この大きさの100倍はあった」
水香「え? 100倍?」
祭司「そうだ。その後,地盤が徐々に沈下していったので,仲間たちと一緒に5ヶ所の大都市に大結界を構築した」
水香「ふ~ん。だから,あの都市も地上と同じような植相になっているんだ」
祭司「まっ,そいうことだ。さて,ユズハさん。わたしの望みはなんだと思う?」
そんな他人の望みなど分かるわけがない。
水香「わたし,そこまでの能力がないわ。でも,,,手を接触したら分かるかな?」
祭司「ほう? じゃあ,接触しよう」
水香は,祭司の手を経由させて,悪霊26号を祭司の体に植え付けた。
水香「祭司さま,もう一度,あなたの望みを頭の中で思い描いてくれますか?」
祭司「こうか?」
祭司は,頭の中で思い描いた。それを悪霊26号がしっかりと読み取った。
悪霊26号『女王さま。祭司の願いですが,当時,祭司たちを大陸から追い出したことを今でも根に持って,大陸を海に沈める計画をたてています』
水香『はあ? そんな無謀な?!』
悪霊26号『ほんとうです。巨大な重力陣法を大陸の王都周辺に展開して,その重みで王都を地下に沈める計画です。今,その発動に必要な濃獣石が1000個ほど準備できています。さらに,巨大重力陣法を描くための操作陣法を構築中です。たぶん,半年後には,完成する予定です』
水香『・・・』
水香は祭司がバカかアホかと思った。なんでそんなバカげたことを思いつくのか? 霊力があったら,祭司をこの場でミイラにしてやったのに! 霊力がないのが残念だ。
水香は,悪霊曼荼羅界のセイリスに質問した。
水香『セイリス! このアホな祭司を殺してもいいかな?』
セイリス『たぶん,戦えば,今の女王さまでは,負けると思いますよ。あっ,ビルカさまがいるから,ビルカさまにやっつけてもらいましょう!』
そこで,水香はビルカに念話した。
水香『ビルカ! この祭司,ヤバイわよ。もしかしたら,すぐにこの祭司と戦うはめになるわよ』
ビルカ『ええーー??すぐに戦うのは止めましょうよ。贅沢が大事です! 贅沢を享受しましょうよ~』
水香『あっ,そうだったわね。贅沢が先決だったわ』
水香は,贅沢のことを思い出して,何度か咳払いをした。
水香『祭司さま。その考え,ちょっと馬鹿げていると思うんですけど?』
祭司『ほう? わたしの思い描いたものも読めるのか。サイコメトリーの能力もあるのだな。ふ~ん。でも,いつまでもその体に憑依しているのは疲れるだろう』
水香『・・・』
水香は,憑依している事実を見抜かれてしまっていた。祭司もオーラを診る目を持っているの? いや,そのはずはない。あれば,すぐに清治が犯人だと分かったはずだ。ならば,,,まあ,水香の言動をみれば,他人が憑依しているのもバレバレか?
祭司は,戸棚から,円盤状のものを取りだして来た。それは傀儡陣盤だった。
水香「え? 傀儡陣盤?」
祭司「そうだ。よく知っているな。濃獣石のパワーで動く。それに,パワーの節約のため,小型の獣になればいい。これは黒猫の姿になる陣盤だ。黒猫の姿で,およそ半年ほど稼働できる。パワー消費を気にしなければ,ヒト型にも変身できるが,エネルギー消費量が10倍以上にもなってしまう。できるだけ黒猫でいるほうがいいだろう」
祭司は,水香の前にその傀儡陣盤を置いた。水香は,自分の明鏡玉を首から外して,それを傀儡陣盤の中央部に嵌めた。
パシューー!
黒猫の姿が出現した。直径20cmほどのかわいい黒猫だ。それが,ぴょこんと,ユズハの肩に止まった。この体は,濃獣石の気力によって形成されている。そのため,変身できる形状が決まってくる。黒猫と,水香本来のヒト型の姿だ。
祭司「さて,黒猫さん。なんて呼べばいいのかな?」
黒猫姿の水香は,すぐに口から声を出して返事した。
水香「水香です」
祭司「ほう? 水香さんですか。あなたの能力は,オーラを診ることができ,サイコメトリー能力があるのですね? 大変すごいことです!」
水香「たいしたことではありません」
黒猫姿の水香は,プイッとして横を向いた。
祭司「水香さんの能力はだいだい理解しました。では,次に,ビルカさんの能力はなんですか? あの小石を投げた腕力は相当なもののようですが」
水香はビルカに念話して,できるだけ能力を隠すように指示した。
ビルカ「わたし,小石を投げるの得意なんです。たまたまあんな力が出ましたけど,たまたまです。それと,わたし,ちょっとだけ暗記が得意です。ほかは,ぜんぜんダメですけど。あっ,そうそう,この巨乳,,,母乳が出るです。それが特異能力かな?」
祭司「ほう? 母乳が出る? 妊娠でもしているのですか?」
ビルカ「いえ,ただ特異体質なだけです」
祭司「そうですか。分かりました。次に,本物のユズハさん。あなたの能力はなんですか?」
ユズハ「わたし? わたし,,,わたしはドジでなにも出来ません。泡力も基礎レベルですし,勉強だって,記憶力もよくないし,,,」
その話を聞いて,祭司はニコニコとした。
祭司「なるほど。それで,わたしの秘書役は,ビルカさんと,ユズハさんも秘書役でいいのですか?」
この質問に水香が答えた。
水香「祭司さま。秘書役ですが,性的な役目も担うのですか?」
祭司「当然です。寝る時は一緒に寝ていただきます。わたしの命令に忠実に実行してもらいます。それが主な役目ですから」
水香「・・・」
水香は,改めてビルカとユズハを見た。すくなくとも,ビルカは祭司と寝ることは決してない。伝承戦闘服が拒否反応を示してバトルになってしまう。
ということは,ユズハしかいない。もともと,ユズハは処女として,皇太子妃にさせるつもりだった。やはり,その役割をビルカに変更するほうがいいのかもしれない。ならば,ビルカの役割である母乳を提供する役割も,ユズハに変更させるべきだ。
そう考えて,水香は祭司に言った。
水香「ユズハもビルカも,わたしの部下です。わたしの指示に従います。残念ですが,ビルカは特殊事情があって,祭司さまと寝ることは無理です。そこで,ユズハと寝ていただきます」
そう言われて,ユズハはやっぱりと思った。所詮,ドジで,ノロマで,何も出来ないクズなら,その身を差し出すしかない。
水香は言葉を続けた。
水香「ですが,祭司さま。ユズハは,胸がDカップですが,まだ巨乳にはほど遠いです。祭司さまは,ユズハを巨乳に出来るノウハウを持っているのではないですか? しかも,妖ナマコ族のユズハでも,母乳を出させるノウハウさえも持っているのではないですか?」
というのも,前任の秘書役の2名は,服の上からでも,かなりの巨乳だった。間違いなく,祭司によって肉体改造させられたに違いない。
その言葉を聞いて,祭司は,戸棚から古ぼけたノートを持ってきて,それをペラペラめくった。そこには,かつて祭司が集めたいろいろな妖獣,妖蟲たちの固有能力を示す特異陣法が描かれていた。
祭司「これでいいかな?」
そう言って,その陣法を,机の上に置いて,水香たちに見せた。水香はそれがなんなのか不明だったが,ビルカがすぐに答えた。
ビルカ「へぇ~ これって,妖牛の特異陣法ですね?」
祭司「そうだよ。よく分かったね。ビルカさんも特異陣法を集める趣味があったのかな?」
ビルカ「いえ,覚えた書物に,同じような陣法があったものですから」
ビルカは微笑むだけで,それ以上は言わなかった。
祭司「でも,この陣法をどうやって発動させたらいいか分からないんだ。ユズハの体内で発動させたら,体全体のバランスが壊れてしまいかねない。下手すれば命にかかわる」
水香はビルカに念話した。
水香『ビルカ,この陣法を発動できる?』
ビルカ『たぶん,気篆術を駆使すれば発動できるはずです』
水香『じゃあ,後でいろいろ試してちょうだい』
ビルカ『了解で~す』
ビルカは祭司に返事した。
ビルカ「わたしに数日,時間をください。いろいろ試してみます」
祭司「ほう? そんなことができるのか?」
ビルカ「まだ出来るとは言ってません。でも,出来るかもしれません」
祭司「分かった。このノートを預けよう。3日間で目処をつけてくれないかな?」
ビルカ「それくらいあればなんとかなるかもしれません」
祭司は,黒猫の水香に言った。
祭司「では,水香さん。ユズハさんをベッドに誘ってもいいかな?朝まで付き合ってもらいたいのだが」
水香「分かりました。でも,その前に,豪華な食事を提供してください。ユズハも,それを食べれば,祭司さまを心から愛するようになるかもですよ」
祭司「おっと,そうだったね。では,豪華な食事を準備しよう」
祭司は,台所に移動して食事を作り始めた。
食事を待っている間,ユズハが人生を諦めた顔をして水香に聞いた。
ユズハ「水香さま。わたし,いつまで祭司さまの性奴隷でいるのですか?」
水香「そうねえ,,,少なくとも1週間以上かな? ユズハ,いいこと。祭司は神人なのよ」
ユズハ「神人って,何ですか?」
水香「超,強いひとなの。だから,祭司には,『双修』をしてくださいって,お願いしてちょうだい」
ユズハ「双修?」
水香「そうよ。ユズハのレベルが大幅にアップする可能性があるの。少なくとも1週間は,双修をしなさい。それって,ユズハの将来のためなのよ」
ユズハ「よく分かりませんけど,でも,はい。分かりました」
そうは言っても,ユズハの顔から人生を諦めた顔付きは消えなかった。
一方,ビルカは,母乳に関係する陣法がどの部分に相当するのかを,祭司のノートを詳しく診ていった。そして,ビルカの頭の中で,その陣法が有効に機能するのかをシミュレーションした。その能力こそ,ビルカのまさにビルカしか成し遂げることの出来ない超ウルトラ異能だ。
何度か試して,とうとう母乳に関する陣法,具体的には,乳腺を新しく生成する陣法を発見した。
ビルカ「女王さま。発見しました。これで,ユズハさんのおっぱいを大きくできますし,母乳も出ると思いますよ」
水香「さすがはビルカね。超天才だわ」
ビルカ「へっへへ」
ビルカは独創性や応用力などには特に優れているわけではなく,単に記憶力がめっちゃ優れているだけだ。でも,上述の異能があるお陰で,天才と呼ばれてもおかしくはないのかもしれない。
水香「ビルカ,明日,ユズハの体で試しましょう。それまで,もっとほかにいい陣法や方法がないか検証してちょうだい」
ビルカ「は~い」
そんなことをしていると,食事の準備が出来た。めっちゃご馳走だった。肉料理,野菜料理,煮込み料理,魚や海産物の新鮮な刺身類,スープ,ご飯,パン,豪華なデザート類,高給茶葉による飲み物,,,この隷属の妖ナマコ島って,こんなにも豪華な料理があったかと疑うほどだ。
人生を諦めた顔をしていたユズハも,その料理を見て,いっぺんに精気が戻ったようだ。
祭司「さあ,召し上がれ!」
その掛け声に,ユズハが我先に豪華な料理をほおばっていった。
・・・
ユズハとビルカは夕食を堪能した。水香は,猫の姿なので食事をしなった。それに,量的に2人分だったので,水香の分までなかった。もっとも,水香は食事などする必要はない。
食事が終わって,祭司が水香に言った。
祭司「これで,ユズハさんを連れていっていいかな?」
水香「はい。どうぞ。ですが,できれば,双修もお願いしたいのですが?」
祭司「双修ですか,,,果たして,ユズハさんの体で耐えられるかどうか,,,でも,徐々にしていきましょう。では,ユズハさん,ご一緒に」
ユズハは,少し顔を赤くして小さく頷いて彼に従った。
・・・
翌日,,,
ユズハが,水香とビルカのいる部屋に来た。ユズハは,あたかも媚薬を飲まされたかのように真っ赤になっていた。
一方,水香はというと,のんびりと黒猫姿で,寝ているのか起きているのか分からない状態で,ぽけーっと過ごしていた。ビルカも寝ぼけ眼だった。
その後,朝の志度をして,水香はヒト型に変身した。この状態では,黒猫の姿よりも10倍ほどパワーを消費する。でも,そのパワーは,またどこかで確保しよう。その点,水香はちょっと楽観的だった。
その水香本来の姿は身長140cmで,Bカップの可愛い胸だった。というのも,水香本来の姿がそうだからだ。その肉体は気力で形成されていた。まったく融通のきなかい体だ。その肉体に,妖力を使って,羽とか巨乳などを付加させることはできる。だが,妖力は貴重だ。生身の妖獣や妖蟲などの血や内臓を取り込むことでしか吸収できない。
ビルカは,ちょっと疑問を感じて水香に聞いた。
ビルカ「女王さま。気力,妖力,魂力の使い分けって,どうなっているのですか?」
水香もそんなこと,深く考えていない。だが,直感的に分かる。
水香「この陣盤は,濃獣石で起動するもので,黒猫とヒト型にしか変身できないわ。その陣盤に明鏡玉を嵌めてしまったから,この陣盤に制約されてしまうわ。妖力を使って,羽とか巨乳とかを追加的に変身させることはできると思うけどね。魂力は,おもに粘液からパワーを吸収できるの。それに,悪霊の活動エネルギー源になっているかな?」
紫江子が作った改良傀儡陣盤なら,魂力なら優れた肉体を生成できるのだが,その陣盤は今はない。無い物ねだりしても始まらないので,これ以上,説明するのは避けた。
ビルカ「ふ~ん」
顔の赤みが少し解消したユズハは,ヒト型に変身した水香に聞いた。
ユズハ「え? 誰? もしかして女王さま? めっちゃ美人じゃないですか!」
そう,本来の水香はかなりの美人だった。
水香「そうよ。これが本来の姿なの。それよりも裸になってちょうだい。母乳を生成できるようにするわ」
ユズハ「え?」
ユズハは意味不明だった。でも,言う通りにして裸になった。彼女のDカップの胸は祭司に散々弄ばれて,赤あざや青あざが出来ていて,無理やりEカップほどの大きさにされていた。
水香「あらら? うらやましい。祭司にそこまで可愛がられたのね?」
ユズハ「もう,乳房の痛みが慢性になって,痛みを感じなくなってしまいました」
水香「そのうち,それが快感になってくるわよ」
ユズハ「・・・」
そう,ユズハは,痛みで少し快感を感じるようになってしまった。
水香はビルカに目配せで命じた。それを受けて,ビルカは,ユズハのEカップの胸に,乳腺生成陣法を発動させた。
ボァ~~
10分,20分,,,そして30分が経過した。その間,ユズハの乳房はどんどんと大きくなっていって,両方で8ℓ にもなるMカップの大きさになった。
ユズハ「え? ええーー??」
ユズハは,めっちゃビックリしてしまった。しかも,乳首から母乳がジワジワとにじみ出てきた。
ビルカ「まだまだよ。もうひとつの陣法を施すわ」
ビルカは,今度は強化陣法をユズハの胸に展開させた。
ドドドーー!
ユズハの母乳が,今度は勢いよく出てきた。
ユズハ「え? えええーー??!!」
ユズハの服が母乳でべっちゃべちゃになってしまった。水香はニヤッとした。
水香「ビルカ,この2つの陣法,お金になるわ。これを高値で千草姫に売れば,大儲けできるわ。フフフ」
水香に金儲けの才はない。果たして,本当に金儲けが出来るのだろうか?
その後,族長の家で待機していた星影と星羽に来てもらい,水香の本来の姿で自己紹介をした後,1ℓ ほどの母乳の入った容器を渡した。
水香「星影さん,星羽さん。ユズハは,祭司の屋敷でしばらく過ごすことになります。ですが,今度は,1日に1ℓ ほどの母乳を供給しましょう。幸い,この屋敷には冷蔵庫がありますので,1週間分の母乳を保管できます。1週間に一度,母乳を取りに来るようにアレンジしてもらえますか?」
星影「それなら,千草姫も問題なく了解すると思いますよ。でも,どうして,急にこんな大量に母乳が提供できるようになったのですか? いくらビルカさんが超がつくほどの巨乳でも,そこまでの母乳が出るとは思いませんけど?」
水香「フフフ。秘密です。でも,金貨10万枚を差し出すなら,その秘密のすべてを提供しますよ」
星羽「金貨10万枚?? なんと,,,そんなに安いんですか?」
水香「安い?」
星羽「そうです。その秘密があれば,誰でも母乳が出るようにあるのでしょう? それって,人口が爆発的に増えるってことを意味します! まさに,千草姫の天下です!!」
水香「・・・」
なるほど,そう言われてしまえばそうかもしれない。でも,陣法の発動には,高度な気篆術が必要だ。今は,ビルカしか出来ない。水香も覚えれば出来るが,果たして,そんな術を水香やビルカ以外に,誰が使えるというのか?
水香「でも,発動には高度な気篆術が必要なのよ。気篆術が使える術者を探してからにしてちょうだい」
星影「気篆術? さて聞いたこともない。でも,分かりました。そのことも含めて,千草姫に伝えておきます。では,1週間後にまた来ますね」
星影と星羽は,母乳の入った瓶を大事に持って去っていった。
・・・
その後,1週間が経過した。
水香は,ユズハの手をとって,悪霊25号を彼女の体に侵入させて,ユズハの体を徹底的に調べさせた。
水香『25号,どう? ユズハの体は,双修によって,大きく変化しているかしら?』
しばらく経った後,悪霊25号が水香に念話した。
悪霊25号『ハッキリとはまだ分かりませんが,ユズハさまとは,まったく異なる思念エネルギーが,頭部の中と腹部の丹田部に強く感じます』
水香『そうなの? 分かったわ。じゃあ,25号,戻りなさい』
そう言って,水香はもう一度ユズハの手を触って,悪霊25号を明鏡玉に戻した。
この時,悪霊曼荼羅界のセイリスが水香に念話した。
セイリス『女王さま。どうして25号をすぐに戻したのですか?』
水香『祭司が霊にも敏感だったらまずいでしょう? ちょっと慎重に対応するわ』
セイリス『え? 女王さま? もうそろそろ祭司さまと一戦交えるつもりだったんじゃないですか?』
水香『・・・,セイリス,どう思う? わたしと祭司が戦ったらどっちが勝つと思う?』
セイリス『ぜんぜん分かりません。でも,ビルカさまと祭司さまが戦ったら,ビルカさまの圧勝でしょう』
水香『果たしてそうかしら? まだ,祭司の能力が全然わからないわ。まあいいわ。一度,試合を申し込もうかしら?』
そんな会話をしていると,祭司がやって来た。
祭司「おい,水香。ちょっと話がある」
水香「あら? 珍しいわね」
今の水香はヒト型をしている。寝ている間は黒猫姿だが,日中はヒト型にしている。そうすれば,1ヶ月ほどは陣盤に植え付けられた濃獣石のパワーでなんとかもちそうだ。
祭司は水香を連れて個室に移動した。
水香「話はなんですか?」
祭司「2件ほどある。お前,ユズハの体に霊的なことを施していないか?」
水香「はあ??」
もしかして,毎日,悪霊25号を使って,ユズハの体を調べたことかが原因なのか?
祭司「ユズハの思念が,ときどき乱れているように感じる。今,ユズハは,レベルアップをしている最中だ。霊的な悪干渉はできるだけ避けたい。」
やはり,祭司は何らかの霊的な官能力を持っていると水香は思った。
水香「分かったわ。その件については了解よ。もう1件は何?」
祭司「水香,いや,女王さまと言ったほうがいいかな? 女王さま。わたしに永遠の命を与えてくれ」
水香「はあ??」
祭司は言葉を続けた。
祭司「ユズハの体内にある霊的残留思念から,『女王さま』,『永遠の命』,さらには,『悪霊曼』という言葉を感じとった」
水香「え? 祭司さまは感応力者ですか?」
祭司「フフ,,,そんなたいそうなものではない。さすがに2000年も活きて,寿命がそろそろ尽きそうだ。そのためか,感応力が鋭くなった」
水香「感応力はともかく,寿命が来たから,永遠の命がほしくなったの?」
祭司「まあ,当たらずとも遠からずだ。どうやら,もう半年も生きながらえることができそうもない。このままでは,この海底都市を地上に引き上げ,陸地の王都を海底に沈ませることもできなくなる」
祭司は,改めて水香に対して頭を下げてお願いした。
祭司「女王さま! おれに,永遠の命を与えてくれ!」
水香は,まさか,こんな依頼を受けるとは思っても見なかった。水香は,適当に返事した。
水香「そんなの,傀儡陣盤に霊魂を留め置けばいいんじゃない?」
祭司「知っていると思うが,自分自身で霊魂を留め置くことは難しい。それに,おれは霊能力者ではない。やはり,女王さまのように自由に霊を使役できる人に管理してもらわないとね」
この言葉を聞いて,祭司は水香が悪霊曼荼羅界を掌握していることを知っているようだ。ならば,,,
水香「祭司さま。では,永遠の命を与えましょう。ですが,その見返りはなんでしょうか?」
祭司「見返り,,,ならば,わたしの知識のすべてを与えよう」
水香「知識? それ,なんか役に立つの?」
祭司は不敵な笑みを浮かべた。
祭司「水香,その体は,濃獣石の気のパワーで出来ている。男たちに触られても,ほとんどその感覚を感じることは出来ない。つまり,あの行為をしても,ぜんぜん感じないってことだ。もちろん絶頂を感じるなんて夢のまた夢だ」
水香「そんなこと百も承知よ」
祭司「おれは,肉体面だけなら,永遠の肉体を維持する知識を培ってきた。その知識を使えば,水香,おまえのおっぱい,そして陰部,,,およそ性を感じる部位を生身の肉体に変えて,犯される喜び,快楽を感じること,さらに,絶頂を味わうことさえも可能となる。人生で至高の喜びを得ることが出来る。どうだ? いいと思わないか?」
水香「・・・」
水香は,これまでの人生ではさんざん犯されてきた。絶頂も何度も経験してきた。だけど,それでも淫乱のような性格にはならなかった。まあ,水香の封印されている肉体が『餌』を必要とするので,男どもを,どうしても性の対象としてではなく,餌と認識してしまう。でも,本物の肉体が得られるのなら,,,
水香「分かったわ。では,その知識で手を打ちましょう」
祭司「それは結構なことだ」
水香「でも,永遠の命を得るためには,まず,その肉体を捨てることから始まるのよ。その後,わたしの仲間が,あなたの霊魂を悪霊曼荼羅界に誘うわ。そこで,悪霊として,厳しい修行をしてちょうだい。そうしないと,文字通り昇天してしまって,霊魂が消滅してしまうわ」
祭司「厳しい修行? 永遠の命を得るのにそんなことが必要なのか?」
水香「そうよ。レベルの低い悪霊なら最低でも1ヶ月。祭司さまなら,少なくとも1年間修行して,上級レベルの悪霊になってほしいかな?」
祭司「1年間? そんなにかかるのか。せめて1ヶ月くらいで出来ないのか?」
水香「出来なくはないけど,こちらもかなりのリソースを消費してしまうわ。わたしだって,膨大な粘液からのパワーを悪霊曼荼羅界に供給しないといけないし,,,『知識』だけの報酬じゃ割りに合わないわ」
祭司「じゃあ,ほかに何が望みだ? 金か? 金貨500枚くらいならあるぞ」
水香「まあ,そのお金は当然もらうとして,祭司さまがこれまで集めた濃獣石のすべてがほしいかな? それなら,ずーっとヒト型でいられるしね」
祭司「・・・」
濃獣石は,海底都市を浮上させて,大陸の都市を沈下させるための大事なエネルギーだ。それを奪われては元も子もない。
祭司「それは無理だ。ほかの要望を言え」
水香は,ちょっと考えてから言った。
水香「では,勝負しない? 祭司さまが勝ったら,そうね,,,悪霊曼荼羅界のリソースを投入して,1ヶ月で上級レベルの悪霊にしてあげましょう。それなら,短時間なら傀儡陣盤さえなくても肉体を生成できるわ。その間,自分で傀儡陣盤を作ればいんじゃない? それが永遠の命ってことだわ」
祭司「・・・,そう願いたいものだが,もし,わたしが負けたら?」
水香「1年,,,いや,おまけとして,半年間で上級レベルの悪霊にしてあげるって感じかな? それと,1000個とは言わないから,ときどきでいいので,少しだけ濃獣石を使わせてちょうだい。このわたしの陣盤に濃獣石のパワーを供給するためよ。 どう? 負けてもリスクは少ないでしょう?」
祭司「水香の陣盤に供給する濃獣石のパワー程度ならたかが知れている。その程度なら許容できる。よし。勝負することで構わん。勝負の型式は?」
水香「もちろん,殺し合いよ。それで,祭司さまが死んだら,すぐに霊魂を悪霊曼荼羅界に収納しましょう。祭司さまが勝ったら,優しく幽体離脱させて,悪霊曼荼羅界に収納してあげるわ。どう? いいでしょう?」
祭司「勝っても負けても,この肉体を捨てるってわけか。やむを得ん。どうせ,勝負をする時は,心臓の鼓動を元に戻す。死期が早くなり,いつ死んでもおかしくない状況だ。分かった。その勝負引き受けよう。死ぬきっかけとしては悪くない。日時は5日後だ。その間,おれの財産,知財,すべてを整理する」
水香「は~い」
・・・
祭司との会議を終えて,水香はビルカやユズハの居る部屋に戻った。ビルカはOカップで,ユズハはMカップだ。なんとも,男なら泣いて喜ぶところだ。一方,水香の胸はBカップだ。Zカップをタプンタプンと揺らしていた頃が懐かしい。
水香は,もうヒト型に変身する必要もないので,黒猫に変身してエネルギーの節約をした。
・・・
またたく間に5日間が経過した。
祭司は身の周りの整理をした。その5日間は,彼にとって,人生最後のときなので,ユズハとすんぷを惜しんで肌を合わせていた。
祭司が水香のところに来た。
祭司「水香,準備はできた。ほら!」
祭司は,直径5cmほどのメダル状の板を水香に投げて渡した。
祭司「それは亜空間収納陣盤だ。おれのすべての財産がその中にある。おれが永遠の命を得たら,その陣盤を返してもらう」
水香「ふ~ん。これ,わたしも開けるの?」
祭司「パスワードロックがかかってる。おれとの勝負に勝ったら,そのパスワード教えてやるよ」
水香「じゃあ,負けれなくなったわ」
水香は,そのメダル状の板を体内に収納した。
水香たちは屋敷がから出て大広場に来た。通行人も祭司が現れたので,何事かと三々五々集まってきた。しまいには,族長や星影,星羽も集まった。
族長「ユズハ,いったいこれはどういうことだ!」
Mカップもの巨乳になったユズハは,自分の父親に返事した。
ユズハ「なんか,女王さまと司祭さまが勝負するって云ってました」
族長「女王さま?」
ユズハ「はい! こちらの小女です。女王さまはお兄さまが召喚したんです。最近,この姿になったんです」
族長「?」
そんな説明ではちんぷんかんぷんだった。族長は祭司に聞いた。
族長「祭司さま,これはいったいどういうことですか?」
祭司「別にたいしたことではない。その小女と生死をかけた試合をするだけだ」
族長「でも,どうしてそんなことに?」
祭司「まあ,一言でいえば,人生のけじめってやつかな? 族長,ここで,わたしがどのように死のうが,殺されようが,それは,わたしが望んだことです。わたしへの加害者に対して,いっさいの罪はありません。よろしいですね?」
族長「ええ? あっ,はい。それはいいのすが,,,」
族長はいろいろ聞きたかったものの,祭司が広場の中央に移動して,水香とビルカも移動した。試合の始まりだ。
水香「祭司さま。試合は,こちらのビルカが戦います。いいですね?」
祭司「だれでも構わん。ルールはどうする?」
水香「殺し合いですよ。そんなの何でもありじゃないですか!」
祭司「ほう? なんでもありでいいのか? それは有り難い。では,試合を始めていいかな?」
水香「わたしが,試合の審判を行います。では,,,,」
水香は,ビルカと祭司の様子を見た。ビルカは,必勝形態の準備をした。伝承戦闘服から生成された手足を繰り出し,ビルカ自分は,伝承戦闘服の内部でダルマのように縮こまるスタイルだ。伝承戦闘服,,,神人を殺すための戦闘服だ。神人相手に,絶対に負けるわけにはいかない。ビルカは,最初から加速1万倍速で行く構えだ。
一方,祭司は,何も準備していないようだった。ただ,気力がS級からどんどんと引き上げて,2S仙人レベルに到達した。それが,本来のレベルなのだろう。2S仙人レベル,,,神人としては,神界でもやや上位に属するレベルのだ。
水香は祭司からなんらかの強者の気風を感じだ。それは,3神剣士に通じるものだ。でも,そこまでの強者の圧はないようにも感じる。さて,,,どこまで,,,
水香は,両者の準備状況を見て叫んだ。
水香「では,試合を始めてください」
ビルカは,その場から消えた。加速1万倍だ。ビルカの腕はゴムのように3メートルほどの伸びて,その先を剣に変えて,その表面に純剣気を帯びさせて,祭司の横っ腹を切断しようとした。
だが,祭司から90cmほど離れたところから,ビルカの剣速が緩和された。そう,剣意だ。剣意の層の厚みは,ヒトによって異なるが,10cmから30cmほどの厚みがある。祭司の場合,30cmほどの豊潤な厚みを持つ。それが,90cmほど離れた場所から緩和されたとなると,3層もの多重剣意を構築したことになる。
ビルカの攻撃は,一旦,中断して,20メートルほど引き下がった。超高速でビルカの頭の中の画面に古代文字が浮かんだ。
伝承戦闘服『やばい! やつは,3層の多重剣意を構築できる! ともかく,あの剣意を破壊しなければ攻撃が当たらない』
ビルカ『では,こちらも,爆裂気篆術の多重攻撃をすればいいのでは?』
伝承戦闘服『よし!それで行こう!』
ビルカにとって,この攻撃方法は熟知している。対神人の基本攻撃だ。
左腕をゴムのように伸ばして,先端から30cm沖に爆裂気篆符を展開した。その数,10枚ほどだ。10枚の連弾爆裂気篆符! この技の前に,たとえ反射気篆符を使われようと相殺してしまう。
ビルカ『よし!準備OK! では,行きます!加速1万倍!』
伝承戦闘服『了解!』
ビルカの姿が消えたかと思うと,祭司から3メートルほどの距離に出現して,左腕を祭司の腹部目がけて突くように攻撃した。
ボン!
先頭の爆裂気篆符が破裂した。それによって,先端部から30cmほどの部分が破壊した。それでも,腕は伸びで,破壊した剣意の層を通過して,次の剣意の層にヒットした。
ボン!
2番目の爆裂が破裂した。同様に腕の部分も破壊されたが,剣意の層も破壊した。それを繰りかえした。
祭司がいくら多重剣意を操る才能を持っていようとも,しかも,剣意を再構築しようとも,高速の連弾で10発の爆裂気篆符で破壊できない剣意は存在しない!
ボン!ボン!ボン!ーー
10発の爆裂気篆符が爆音を放った。ビルカは,さすがに剣意をすべて破壊できたと信じて,純剣気を帯びた右腕の剣を祭司の腹部に突き刺そうとした。
ドッ!
すべてを切る純剣気,それを帯びた剣が,まさか,祭司の体表2cmの手前で留まるとは,,,いや,そうではない。純剣気を帯びた剣は,1秒もかかって1mmほど貫いた。2cmの層を貫くには,20秒もかかってしまう。
ビルカは,伝承戦闘服に言った。
ビルカ『これって何? 剣意とも違うの?!』
伝承戦闘服『これは驚いた。剣意を多重の層にするのは,神人なら出来ても不思議ではない。 だが,2種類の剣意を,鎖のようにクロスさせて強固にする術は,理論上は可能だ。だが,どんな神人の天才でもこれまで実現させることはできなかった』
ビルカ『え? ということは,この祭司が展開したのは,その『クロス剣意』?』
伝承戦闘服『その可能性が高い! ここは,一旦,引け!』
ビルカ『はい!』
ビルカは,再び20メートルほど引き下がった。
伝承戦闘服がビルカの口を通して,祭司に言葉を発した。
伝承戦闘服「お前,実現不可能と云われた『クロス剣意』を構築できるのか?!」
その言葉に,祭司はニヤッとした。
祭司「さすがは殺神戦闘服だな。よく知っているな」
伝承戦闘服「え? おれのこと,知っているのか?」
祭司「もちろんだ。おれと袂を割って大陸に逃れた連中が開発していたものだ。お前の思念は,殺神戦闘服の操作に集中させるために,余計な過去の記憶は消去された。でも,まさか,その小女,ビルカが殺神戦闘服を操作できるとは驚きだ。よほど優秀なのだろう」
伝承戦闘服「肉体的には不合格だが,脳力では超が何個もつくほど合格だ。おかげで,おれの能力を100%,いや,200%まで引き出せるぞ」
祭司「ほう? だが,おれが全生涯をかけて完成させたクロス剣意を突破できるかな?」
伝承戦闘服「・・・」
伝承戦闘服は,爆裂気篆符の威力を数段引き上げてクロス剣意を破壊することを考えた。何発も攻撃すれば破壊することはできるだろう。だが,祭司も反撃に転じるはず。さて,必勝の手はないのか?
ここで水香がその試合を中断させた。
水香「はい,そこまで!!」
ビルカがすぐに反応した。
ビルカ「え? 女王さま? どうしてですか? これからいろいろとクロス剣意を一瞬で破壊する術を練っているところだったのに~」
水香「このままダラダラと試合をするのは時間の無駄よ。後は,わたしに任せなさい」
ビルカ「え? 水香さまに?」
ビルカは,水香が霊力を使えないことを知っている。そんな水香が祭司に勝てる可能性はほとんどないはず。
祭司「ここで水入りとはどういうことだ?」
水香「祭司さまの,その変な剣意が予想以上に強固なものなので,無駄に勝負に時間がかかってしまいます。ならば,わたしが一刀両断してあげましょう。時間の節約になりますから」
祭司「はあ? お前,バカか?!」
水香「バカかどうか,ものは試しですよ,祭司さま」
水香は,ゆっくりと祭司に向かっていった。祭司も,水香が冗談でそんなこと云うはずもないと思いつつも,『クロス剣意』の術に絶対の自身を持っていた。
祭司「おれは,クロス剣意をさらに極めて,2層の重ねがけさえも出来るようになった。いくら,お前に必殺技があろうと,それを打ち砕くことは,絶対に不可能だ!」
水香「それは楽しみだこと」
水香は,悪霊曼荼羅界のセイリスに命じた。
水香『セイリス,わたしを洗脳させてちょうだい。霊力があった時のように,命じられたことは,すべて実現できると信じこませてちょうだい。わたしの純粋な純剣気で相手を一刀両断するわよ』
セイリス『え? でも,霊力がないと無理なのでは?』
水香『だから,洗脳させてちょうだい。あなたが頼りよ』
セイリス『・・・』
この場は,水香の直感を信じよう。出来ると信じれるのなら出来るのだろう。
水香は,今のすっきりとした精神状態なら,命じられたことは何でもできると直感的に感じた。短時間なら,そう,2,3秒程度なら,なんでも実現できる,,,はず!
セイリス『女王さま。あなたの展開する手刀に,純剣気を展開しなさい! しかも,100%の純剣気ですよ! 神羅万象すべてを切断する純剣気,本物の純剣気というものを,祭司に見せてあげなさい!』
その言葉と共に,水香の頭の中に,通常の何倍にも輝く黄金色の純剣気のイメージが浮かんだ。
セイリス『女王さま! あなたには出来る! そのなにものをも実現できるその思念を持って,すべてを切りなさい!!』
水香『
水香は右腕に純剣気を展開した。その『純剣気』は,まさに,セイリスがイメージ念話で送ったものだった。
水香は『純剣気』を帯びた右腕を手刀の形状にして,祭司の右肩から斜めに振り切った。
シュパーー!
その『純剣気』は,紙を切るように2層のクロス剣意を切り裂き,祭司の右腕を切断させた。
ドサッ!(祭司の右腕が血に落ちた音)
その直後,純剣気は自動的に消滅した。2秒間が限界のようだった。
祭司は,腕が切断されたこと以上に,自分のクロス剣意が,紙のように切断されたことに驚愕して,腕の切断面から血が流れるのを止めることさえ忘れてしまった。
祭司「女王さま,,,これは,,,いったい,,,」
祭司は呆然としつつも,意識が徐々に遠のいて,その場に倒れた。水香はセイリスに命じた。
水香『セイリス,すぐに悪霊を何体か祭司の体内に送って,祭司の霊魂を確保しなさい』
セイリス『了解しました』
セイリスは,水香の体内にある明鏡玉の中にある悪霊曼荼羅界に祭司の霊魂をうまく導いた。
ビルカが水香のところに来た。
ビルカ「女王さま! その技はいったい,なんなのですか?」
水香「ちょっと,高位の純剣気よ」
ビルカ「高位の純剣気??」
ビルカはちょっと理解が出来なかった。
この時,水香がビルカの体に寄せた。
水香「ビルカ,,,意識が遠のく,,,面倒みて,,,」
ビルカ「え? ええー? 女王さま? 女王さま?」
水香はビルカの体を抱いたまま意識を失った。
・・・
水香は丸1日後に目覚めた。水香が気絶したのは,精神能力を使い過ぎたのが原因のようだ。悪霊曼荼羅界のセイリスが水香に忠告した。
セイリス『女王さま。あの大技は,当面使わないようにお願いします。たまたまビルカさまに介護されたから良かったものの,そうでなかったら,殺され放題でしたよ』
水香『わたしも,こんなの初めてだわ。今後は,気をつけるわ』
セイリス『女王さまが寝込んでいる間,悪霊曼荼羅界の魂力パワーを女王さまの霊魂に供給しました。それが有効だったのかは分かりません。ですので,悪霊曼荼羅界にエネルギーを供給してくださいね?』
水香『それって,粘液を確保するってこと?』
セイリス『もちろんそうですよ。それに,女王さまの体内にある陣盤の濃獣石にも気力を吸収させたいのでしょう?だったら,余計に粘液が必要ですよ』
水香『・・・』
水香はがっくりきた。また,男どもに犯される日々を送らないといけないのか,,,
・・・
数日後,祭司の葬儀が行われた。族長や妖ナマコ島の住民は当然のこと,水香,ビルカ,クズハ,さらに,星影,星羽もその葬儀に参列した。
その葬儀の終了時に,族長が住民たちに伝えた。
族長「祭司の後任の方は,1ヶ月後に海底王国から派遣される予定とのことです。その間,わたしが臨時で祭司の代理を務めることになります。皆様のご協力をお願いします」
族長は,住民に深々と頭を下げた。
パチパチパチーー,
住民から拍手が起こった。まあ,しょうがないなあといった感じの,あまり元気のない拍手だった。
水香,ユズハ,ビルカの3名は族長に挨拶して,星影と星羽と共に,妖ヒトデ城に向かった。
ーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。