異界の星
@Na4
第1話 「グランドキャニオン①」
注意:この物語に登場するキャラクター、団体、地名などは現実のものと関連性はありません、それを理解されたうえでご購読していただけるとありがたいです。
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私は知りたかった。
子供の頃からそうだった。
知的好奇心に釣られるままにあれよあれよと前のめりになっていた。
気づけば周囲から他人は離れていった。
当たり前の話だ。
わかりきっていた。
世界は、それほどに美しいのだ。
私の生きる世界でさえまだ知らないことが山程ある。
手始めに、
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【ラスベガス・ハリー・リード国際空港 】
約16時間の時差を経た空の旅を終えアリゾナ州にあるラスベガス・ハリー・リード国際空港 へ到着する。
日本と比較しても驚きを隠しきれないほどの人の波に飲まれながら階段を降りる。
英語での流暢な会話が複数耳の横を通り過ぎる。
空港を出て予約していたタクシーに乗りホテルに向かう。
なぜ最初にアメリカに向かったのか
理由は単純、
グランドキャニオンの付近の宿泊施設で異様な事件が発生したのだ。
概要をまとめる
・事件が発生したのは3月頃(現在4月)
・現時点で判明している情報における死者はいない
そして
・宿泊施設ごと消えた。
最後が一番重要だ。宿泊施設が消えたと言っても建物だけが消えたわけではない。
第一探索隊による報告だと地下約10km、全長が30kmにも及ぶほどの大空洞ができていたそうだ。
要するにまぁ、にわかに信じがたいが。
”ダンジョン”の発生とでも言うべきか。
まず行方不明者の生存は不可能である事がわかる
すでに一ヶ月以上たち、食料も尽きたと思われる状況での長期間生存、
食料だけでなく有害なガスや野生生物など懸念点はいくらでもある。
調査報告書をノートPCで整理していたらもうホテルに付いてしまったらしい。
私は車をあとにしてホテルのチェックインを済ませる。
探索隊による情報の中にはもう一つ興味深い内容があった。
それが「音がなかった。」ことだ。
地盤が崩壊したのであれば轟音が周囲に響き渡るだろう。
だが違う、”無音”だったのだ。
何かしらの音は起こってもいいはず。
何かの擦れる音すらしなかったのだ。
周囲の監視カメラを確認したり衛星写真などをチェックもした。
だがすべて消えた瞬間の映像が残っていない。
だがそこから消えるまでにかかった時間が割り出せる。
約0.41秒、ほんの少しの違和感程度に過ぎない時間だ、
この一瞬でホテルの敷地が全て消えているということ。
違和感しか感じない。
こういうものを人々は超常現象と呼ぶのだろう。
世界の理に反した事ができるのは世界の理だけだ。
結局ルールの範疇。
ならいくらでも調べようがあるのだ。
自身の部屋にカバンを下ろし部屋を出る。
鍵を締めホテルを出る。
「調査開始だな」
俺は袖をまくった。
異界の星 @Na4
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