第2話 📜 堅盟の綻びと「耳川の血潮」
📌 あらすじ:前半
🤝 堅盟の時代(天正元年・1573年)
場所:豊後府内と薩摩
浅井、朝倉が小谷城の戦いで信長に滅ぼされた頃、大友氏の田原親賢(松重豊)らと島津氏の**川上忠克(高橋努)**ら老中が交わした書状のやり取りを、厳かに交わすシーンから始まる。
大友宗麟(及川光博)は、京の織田信長(北村一輝)との文通や南蛮貿易の利益に夢中。彼にとって南の島津は**「海上と背後の安全を保障する安定した同盟相手」**であり、北の龍造寺や毛利との戦いに集中できる状況に満足していた。
一方、島津義久(山田孝之)は、不安定な領内を固めるため、大友との同盟を最大限に利用し、家臣団に領内の安定を急がせる。
💥 伊東氏の滅亡
場所:日向
長年、島津と対立してきた日向の**伊東義祐(岸谷五朗)**が登場。彼が頼りにしてきたのが、大友宗麟の仲介と威光であった。
しかし、宗麟がキリスト教に傾倒し、領内の統治を疎かにし始めたことで、伊東氏に対する干渉も鈍り始める。
島津軍は、大友の動きを冷静に見定めながら伊東氏への圧力を強める。
天正5年(1577年)、ついに島津軍が伊東氏を撃破。伊東義祐は宗麟を頼って豊後へ落ち延びる(都於郡落城)。宗麟は、同盟を破ってまで庇護を求められた義祐を、体面を保つためしぶしぶ受け入れる。
この伊東氏滅亡の報が、大友・島津間の**「勢力圏不干渉」**という同盟の根幹を揺るがす。
📜 第2話:あらすじ:後半
🛡️ 決裂へ
場所:豊後と薩摩
**田原親賢(松重豊)**は、「伊東氏討伐は大友の面子を潰す行為だ」と宗麟に進言し、強硬な態度を主張。大友家中の主戦派が勢いづく。
島津義久は、大友家に対し、「伊東氏の領地は大友の勢力圏外であり、領内安定のための正当な戦いである」とあくまで冷静に説明。だが、宗麟が伊東義祐を匿ったことに、義久は**「宗麟は堅盟を自ら破った」**と断じる。
島津義弘(高岡蒼佑)、歳久(波岡一喜)、**家久(鈴之助)**ら弟たちは、宗麟の傲慢な態度に怒りを燃やし、一気に北上するべしと義久を突き上げる。義久はついに、大友との開戦を決意する。
⚔️ 耳川の戦い
場所:日向・高城川原(耳川)
天正6年(1578年)。大友宗麟は、自らキリシタンの旗を掲げ、**「神の軍」**と称する大軍を日向へ派遣。
大友軍の総大将は田原親賢(松重豊)、実戦部隊の指揮官には**臼杵鑑速の子・統景(深水元基)**や、**志賀親度の子・親守(やべきょうすけ)**らが並ぶ。
島津軍は島津義久の指揮のもと、島津義弘らが奮戦。大友軍の油断と兵站の乱れを突き、**「釣り野伏せ」**戦法で大友軍を耳川(高城川)に追い詰める。
激しい戦闘シーン。大友軍は壊滅的な大敗を喫し、多くの有力武将を失う。
島津義久の冷静かつ老練な戦略と、弟たちの勇猛さが光る。
🌑 結び
敗戦の報を聞いた大友宗麟は、ショックのあまり言葉を失い、自らの信仰を疑い始める。
島津義久は勝利に沸く家臣たちを前にして、「北に龍造寺の熊が、静かに笑っているぞ」とつぶやき、次なる脅威を予見する。
ナレーション:「大友・島津の堅盟は崩れ去り、九州の勢力図は一気に島津優位へと傾く。だが、肥前の龍造寺隆信にとって、これは漁夫の利を得る好機であった――。」
🎭 新キャスト(第2話 登場・活躍)
田原 親賢(たわら ちかかた):松重 豊
大友家の重臣。強硬派で、宗麟の信頼厚い。伊東氏への対応を巡り、島津との決裂を主導する。耳川の戦いでは総大将を務める。
伊東 義祐(いとう よしすけ):岸谷 五朗
日向の旧国主。島津に領地を奪われ、大友宗麟を頼って落ち延びる。彼の亡命が同盟決裂の引き金となる。
川上 忠克(かわかみ ただかつ):高橋 努
島津家の老中。義久を支える重臣の一人として、大友氏との書状のやり取りを行う。
島津 義弘(しまづ よしひろ):高岡 蒼佑
義久の次弟。稀代の猛将として知られ、耳川の戦いで決定的な役割を果たす。
島津 歳久(しまづ としひさ):波岡 一喜
義久の三弟。知略に優れ、兄の戦略を支える。
島津 家久(しまづ いえひさ):鈴之助
義久の四弟。勇猛果敢で、耳川の戦いで手柄を立てる。
臼杵 統景(うすき むねかげ):深水 元基
大友家の武将。耳川の戦いで奮戦するが敗れる。
志賀 親守(しが ちかもり):やべきょうすけ
大友家の武将。敗戦の責任を負うことになる。
第2話で大友家が敗北し、島津が優位に立ちますが、その影で龍造寺隆信(遠藤憲一)が静かに勢力を伸ばす展開で、いよいよ「九州三国志」の三つ巴の構図が明確になりますね。
次は、龍造寺隆信の本格的な動きを描く第3話について考えてみましょうか?
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