Episode17 暴走リヨン
少し沈黙が続いたあと、ついにトロアは口を開いた。
トロア「ごめん。実はこの機械でリヨンの声をションソン・デ・ラ・モーンにしたんだ。許される行為ではないと思っている。僕が馬鹿だった。本当に申し訳ない」
リヨン「そう。あなたが犯人なのね」
コムロ(表情が変わった…?)
ジョン(何か嫌な予感がする…!)
トロアが正直に言うとリヨンの表情が変わった。そして下を向き、そこには静かな怒りがあった。
リヨン「私がどれほどショックだったか分かりますか」
トロア「もちろん分かるよ」
リヨン「分からないからこのようなことをやったのでしょ?」
リヨン「門の外では私が殺人をしたと大騒ぎになっています。それもこれも全部全部トロアのせいよ!」
リヨン「もうこの世からいなくなってしまえ!!」
リヨンは右手を高く突き上げ、トロアのところに走っていった。
コムロ「危ない…!」
リヨンがトロアを殴りかかろうとした時、トロアの前に黒い影が見えた。
ボコッ! バン!
トロアの前に立っていたのはなんとジョンだった。
ジョン「トロア…さん…。逃げて…!」
トロア「ありがとう!ジョン君!」
トロアは扉を押し退け外へ逃げた。
リヨン「逃がさないわよ!」
コムロ「まずい、追いかけないとだがジョンの対処もしないといけない。どうすればいい」
執事「ジョンさんは任せてください。コムロさんは急いでリヨン様のところへ…!」
コムロ「執事さん!ありがとうございます。では、ジョンをお願いします」
コムロは急いで2人の後を追いかけた。
コムロ(おそらく庭の方へ逃げたはずだ。そこに行けば助けることができるかもしれない)
案の定、トロアとリヨンは庭で距離をとっていた。
トロア「リヨン!落ち着いてくれ!」
リヨンはなにも答えずトロアの元へ近づいてきた。
トロア「やめてくれ!リヨン!」
リヨン「あなたと一緒に過ごせて良かったわ。ありがとう。さようなら」
コムロ(何かできることはないのか。考えろ…!)
コムロ(…!これならもしかすると…!)
コムロはあるひとつの考えを思いついた。
コムロ「〜〜〜♪♪♪」
コムロが考えた作戦は自分が歌を歌うこと。そうすればリヨンは正気を取り戻すかもしれない。
コムロ「トロアも一緒に!」
トロア「わかった」
トロア「ーーー♪♪♫」
2人の歌声が重なる。リヨンは近くに寄ることを辞め、歌声を真剣に聞いていた。
リヨン「は…!私は何をしていたのでしょう?」
コムロ「よし、元に戻ったぞ」
トロア「リヨン…!元に戻ったのかい?」
リヨン「トロア…!私間違っていましたわ。正直に言って下さりありがとうございます。やったことは元に戻せないですがこれからそのようなことをしなければいいのです」
トロア「リヨン、君は本当に優しい子だ。こんな僕を許してくれるなんて。ありがとう」
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