Episode13 リヨンとコムロ
ジョン「コムロさん!ちょっと待ってください!」
コムロ「なんだ」
ジョン「その機械、ちょっと詳しく見せてもらってもいいですか?」
コムロ「いいぞ」
ジョンはコムロに付いている音声変換機を調べ始めた。
ジョン「これ、おそらく偽物ですね」
コムロ「え?」
ジョン「コムロさん、この機械手で持ってみてください」
ジョンがそういうとコムロは首に付いている機械を上に持ち上げた。重たそうな見た目をしているが、意外にもそこまで重たくなく、むしろ軽すぎるといったところだった。
ジョン「そしておそらくここのネジを緩めると取れると思います!」
コムロはジョンに言われるがまま操作をした。すると機械は呆気なく取れた。機械が取れるとジョンは解剖を始めた。
ジョン「まだ偽物かどうか分からないので確認している間にコムロさんはリヨンさんの元へ向かってください!」
コムロ「わかった。ありがとう、ジョン」
元通り話せるようになったコムロは改めてリヨンの元へ向かうのであった。
コムロ「失礼します」
リヨン「あら、いらっしゃい。コムロさん。私に何か用事ですか」
コムロ「えぇ、人助けの件についてなんですが」
リヨン「あぁ、その事ね」
コムロ「3日経ちましたので何か情報を得られたのかなと思いまして」
リヨン「残念ながら今日は執事に部屋の中にいなさいと言われたもので何も情報は得られていません」
コムロ「そうですか」
コムロ(一応リヨンさんの全身は見た。が、機械らしきものはない。もし俺がつけられたのと同じ場合、すぐわかるはずなのだが…)
リヨン「コムロさん。どうかなさいましたか」
コムロ「い、いえ。何も」
リヨン「にしても、今日はなんだか外が賑やかですね」
コムロ「そうですね」
リヨン「何かやっているのかしら」
コムロ「おそらく選挙活動かと」
リヨン「あら、もうそんな時期でしたのね」
コムロはその後もなんとか話を続けた。リヨンの隅々まで見たが、やはり機械らしきものは見当たらない。あるとすれば背中側に絞られた。しかし、リヨンは椅子に座っているため、背中側を見ることはできない。コムロはどうにかしようと考え続けた。
コムロ「リヨンさん、少しお庭の方へ出ませんか?」
リヨン「いきなりどうしたのですか?」
コムロ「いえ、いいお天気ですので。それに太陽の光を浴びないと健康にも悪いですし」
リヨン「それもそうですね。少し準備いたしますのでしばらく待っていてください」
リヨンは外に出る準備をしに荷物を取りに行った。コムロはようやく背中側を見ることができると思い、少し安心していた。
リヨン「準備できました。では行きましょう」
コムロ「はい」
コムロ(背中側にもない…!?もしかして機械はリヨンさんに直接付いていない…?それかまた別のところにあるのか。謎は深まるばかりだな)
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