Episode2 禁じられしバラッド

鉄道に揺られて11時間。コムロ達はついにシーランス王国へ着いた。シーランス王国はティブロ王国とは全く違った街並みである。ティブロ王国の家はレンガ造りで比較的丈夫である。対してシーランス王国は石造りとなっており、手入れをしないとヒビが入り、脆くなるという欠点がある。そしてシーランス王国の家は白っぽい壁が多く、太陽の光を反射して地面を照らしている。面積はティブロ王国より少し大きいくらいだ。この国の最大の特徴は真ん中に国のトップなどが集まる施設があり、そこから道が放射線状に伸びている。


コムロ「やっと着いたな」


ジョン「ですね…」


長時間の旅のせいかさすがに2人とも疲れているようだ。とりあえずコムロとジョンはこの国の伝統料理を食べることにした。


コムロ「ここに来たのはいいが、どうやって調査しようか」


ジョン「んー、歌っている人を尋ねてみてはどうですか?何かわかるかもしれませんよ!」


コムロ「そんな街中で歌ってる人とかいるのか?」


ジョン「ティブロでも見かけますし、多分見つかりますよ!」


コムロ「まぁやるだけやってみるか」


コムロとジョンはお昼ご飯を食べ終えた後、街中で歌っている人を尋ねてみることにした。


町人I「〜〜〜♪♪♪」


コムロ「楽しんでいるところすみません、少しお聞きしたいのですが」


町人I「はい、なんでしょう?」


コムロ「今歌われていた曲について少し気になることがあるのですが大丈夫でしょうか?」


町人I「えぇ、なんでも答えるわ」


コムロ「先程の曲、この国の言葉には聞こえなかったのですが、一体どの国の曲なのでしょうか?」


町人I「あなた、鋭いわね。この曲はシーランス王国ができる前の曲よ」


コムロ「詳しくお聞きしても?」


町人I「シーランス王国は元々ブワ王国というところに支配されていました。その国の音楽が今歌っていたものになります」


コムロ「この国の音楽は歌わないのですか?」


町人I「えぇ。この国の音楽は歌うなと母から言われてまして」


コムロ「理由とか聞いたりとかはしましたか?」


町人I「子供の頃は聞いたことがあるのですが、母は頑なに答えてくれませんでした。なので理由は今でもわかっていません」


コムロ「なるほど。わかりました。貴重なお時間ありがとうございました」


これ以上質問をすると相手に迷惑だと思ったコムロは、疑問を抱きつつも次の人へ尋ねることとした。とりあえず今わかっている情報は「この国の音楽は歌うなと言われており、その理由は教えてくれない」「シーランス王国は元々ブワ王国に支配されていた」ということである。





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