Season2 名探偵コムロと異国の歌姫 〜第20作目〜

きっちゃん

Episode1 シーランス王国

これはティブロから遠く離れた国の話。その国は昔から伝わるある都市伝説というものがあった。それは「ある人の歌を聞くと、数日後には亡くなってしまう。」そのような都市伝説だった。


コムロ「今日は何も事件がなくていいな」


コムロはいつも通りティブロ王国に滞在していた。もうここが故郷と言ってもいいだろう。そのくらいティブロ王国の人から馴染まれている。


ジョン「コムロさーん!」


奥からジョンが走ってコムロの所へ向かってきた。相当焦っているようだが、何かあったのだろうか。


コムロ「どうかしたか?」


ジョン「シーランス王国の都市伝説って聞いたことありますか?」


コムロ「シーランス王国?そもそも国自体聞いたことがないな」


シーランス王国はティブロ王国から遠く遠く離れた国である。聞いたことがある人の方が少ないだろう。


コムロ「で、シーランス王国の都市伝説とはどのようなものか教えてくれ」


ジョン「わかりました!」


ジョンは都市伝説について語り始めた。


ジョン「シーランス王国は昔から「ションソン・デ・ラ・モーン」を歌う女性がいると言われています。その歌を聞いた人は3日後に死んでしまうと言われています。しかし、どの女性がションソン・デ・ラ・モーンを歌うかはわかっていません。なのでこの話は都市伝説として扱われているのです」


コムロ「もしかしたらションソン・デ・ラ・モーンを実際に歌う人がいるかもしれないってことか?」


ジョン「「もしかしたら」ですけどね」


コムロ「よし、その都市伝説調査してみよう」


ジョン「わかりました!」


都市伝説を聞いたコムロは気になったのか調査することとなった。ティブロ王国からシーランス王国までは車ではなく鉄道を使うことになる。準備を済ませたコムロ達は早速鉄道駅へと向かった。


ティブロ駅

コムロ「ここからシーランス王国までの所要時間は?」


ジョン「ざっと計算した感じ11時間位です!」


コムロ「わかった」


ティブロ王国からシーランス王国までは約1000km離れており、鉄道では約11時間(厳密には10時間45分)かかる。コムロ達はその間、ティブロ国立図書館にあった数少ないシーランス王国の歴史書を借りて、勉強することにした。


コムロ「なるほど、シーランス王国は比較的まだ新しい国なのか」


コムロが見た本によるとシーランス王国は今から約500年ほど前に誕生した国である。シーランス王国ができる前は近くの国が支配しており、その国の文化や思想を今も強く受け継いでいる。しかし、都市伝説についての記載は何もなかった。


コムロ「都市伝説の記載はなしか」


ジョン「本当にションソン・デ・ラ・モーンを歌う人なんかいるんですかね?」


コムロ「それを調べるかどうかが俺たちの仕事だろ?」


ジョン「それはそうですけど…」


ジョンは都市伝説をあまり信用していないようだ。結局シーランス王国は比較的新しい国だということだけ情報を手にすることが出来た。












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