第3話 夜、猿飛佐助

夜中にお父さんが帰る前に、お母さんはわたしとお兄ちゃんを起こした。

「お父さんが帰って来るから起きなさい」

それから、パジャマのまま、2階の寝室を出て家の裏の階段の踊り場から、隣のアパートまでジャンプする、という事をやるのだけど

わたしは小さくて、跳べなかった。

小さいなりに「あ、死ぬかも」と思った。

だから、ひとり残った。

起きた時は、「わたしだって、起きれる」と思って気合いで起きてたけど、

一旦、布団で寝たら、秒で寝れた。

そんなことを、その頃繰り返していた。

お父さんが帰って来て、わたしの横で泣いてたのを一回だけ聞いた事がある。

何だろ、何で泣くのかなって思った。

❤今日は、お母さんが家にお友達をたくさん呼んで、さむえと言う服を作って、教えていた。

ながい物差しを持って、頑張っていた。

刺繍も教えていた。

お母さんは、お父さんが

「俺は仏陀になる」と言ってたって、バカにして言ってたけど、わたしは、仏陀ってなんだろうって思っていた。

それから、お父さんは道場を建てた。

たくさんのお父さんのお友達が出入りしていて、そこに有名な先生が来て、みんなで目をつぶって、声を合わせて何かを言っていた。❤



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陽子のスピリチュアル日記 @pockey1230

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