第2話 現場

ルージュに案内され、2人は事件現場であるレムレアブル宮殿にやってきた。道中、ルージュは宮殿の間取りを説明した。

「レムレアルブル宮殿は1つの正殿と2つの宮殿、それから回廊の4つでできています。それぞれ《太陽の正殿》、《星の宮殿》、《月の宮殿》《美の回廊》と言われています。」

シェリーが疑問に思い質問した。

「なぜ、《美の回廊》と呼ばれているんですか?」

「回廊はガラスの鏡で出来ています。王族の方々は回廊を通って奥にある《虹の間》という会議室に向かうのですが、その回廊のガラスの鏡で身なりを整えてから向かうのでそう呼ばれています」

「広いんですか?」

「全長100メートルあります」

2人は声を大にし、揃って驚いた。

「100メートル!?」

「はい、全長100メートルでガラスの鏡約400枚が使用されてます」

2人はまた声を揃えて言った。

「無駄にデケぇー…」

そして《夕日の間》に入っていくと、刑事たちが現場で捜査を続けていた。

「何だ、君たちは!ここは今我々警察が事件の捜査してるんだから立ち入らないでもらえるかな?」

【ダク】という新米刑事が3人に詰め寄る。するとそれを見たベテラン刑事の【ユーノ】が慌てて止めに入る。

「これはこれは、ラルク探偵ではないですか!?うちの新米が失礼しました!もう少しで終わりますから少し待っててください」

困惑気味のダク刑事に慌ててユーノが説明に入る。

「馬鹿野郎!ラルク探偵になんて態度をとってるんだ!あの方はラルク探偵事務所のご子息だぞ!かつて我々警察でも頭を悩ませた連続殺人事件の犯人を解明したラルク夫妻のご子息に変に詰め寄るんじゃない!」

シュンとしたダク刑事をよそにユーノ刑事は捜査を続けた。そして警察による捜査が終わり、ラルクが立ち入った。するとダク刑事が向かってきた。

「先ほどは大変失礼いたしました…」

上司のユーノ刑事に言われたのか不服そうな謝罪の言葉にラルクは

「構いませんよ、こちらは急いでるのでそれで結構です」

と軽く遇らい、現場を調べ始めた。するとしょげながら現場を去ろうとするダク刑事がラルクに向かって言った。

「この事件にあまり首を突っ込まない方があなたの身のためだと思いますよ。これは忠告です」

対してラルクは現場を見渡しながら応えた。

「そりゃどうも。でも、こちらは依頼人裏切るわけにはいかないんですよ」

その答えを聞き、ダク刑事は署へ帰っていった。不安そうにしているシェリーにラルクは

現場を見つめる視線を変えず

「大丈夫だ、ミラン君。ピンチになったら僕を置いて逃げればいい。ただ今は捜査に付き合ってくれ」

続けてラルクはルージュに質問する。

「この夕日の間、外から鍵をかけることできませんよね?」

「はい。後で行われる重要な会議についてのことなどを話す控え室のような部屋なので、部外者が入らないように外側から鍵を開けられない仕組みになってるんです」

「ちなみに発見された時、このドアは開いてましたか?」

「いえ、閉まってました…」

「内側からしか施錠できないこの夕日の間で遺体が発見された。しかも発見した時鍵は施錠されていた。つまりこれは…」

3人が声を揃えて一つの答えを出した。

「密室殺人…!」

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レムレアブル宮殿の殺人 中島清一郎 @naka0823

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