　はい、今日も疲れたんで抜きます。

　推しアイドルの待ち受けをガン見し、愛用のchromeを開く。

　オカズは……どうするか。正直深田えいみには飽きた。

　かと言って全く知らないモノを見るのも気が引ける。

　……賭けるか。某無料エ◯漫画サイト、閲覧……！！

　サイトを開き、タイトルと画像がずらーっと並んでいる画面になる。

　スムーズ・スクロール。

　NTR、純愛、全部ゴミ。

「あっ」

　間違えた。横のよくわからん広告をタップしてしまった。

　「戻る」矢印が効かない。

　タブ閉じれないし、ホームボタンが発動しない。

　電源を長押ししてみる。……クソ。神々しく光りやがって。

　詰み、か。

「あんあん」

　スマホから汚ねぇ喘ぎ声が聞こえる。

「エロすぎる透明人間と淫乱セッ◯ス！　子◯突かれまくりで絶頂が止まらないイキ地獄！　ああーん」

　エロ漫画に音声がついているのか……。なるほど。

…………………………はあ。しょうがねぇな、見てやるとするか。

結構文学寄りだ。絵も申し分なしだし……にしてもちょっとリアルすぎないか？　顔とか完全に人間だし、それに汗とか液とかの描写が丁寧すぎる……。

まあいいか。そういう作品もあるよな。

「あーん！　A君の部屋でイッちゃうー！」

　A？　俺の名前だ。……待て、この風景どこかで見たことがある。マイケル・ジャクソンのポスターに深田えいみのエロ雑誌山積み……俺の部屋にそっくりだ。

「Aくーん？　見てるー？　今、透明人間さんに犯されてまーす！　これも、あなたが私を見捨てたせいだからねー！」

　そういう設定か。面白い。

「今見てるのAくんでしょ？　ねえ！　許さないからね！」

　射◯完了。はあ、途中からコンセプト変わってんじゃねぇか。やっぱウイルスサイトなんてこんなもんだな。

「オホォ〜イクゥ〜！」

　という声が、寝室あたりで聞こえた気がした。

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