第4話
――人の数は人が減らしているのだと心得よ、我はその折に出来たキズを癒すのが役目。あの頃の我は、
体や四肢も今より力強く顎を上げ胸も張りぐっと天を仰ぐ姿勢を保っていた。
そこへある日、背丈だけではなく全てが小さく弱い珍妙な者が来た。
ああ可哀想にあれでは到底生き残れはしない、況してその身に持つ気も無いに等しく我等の群れであれば
産声を発する前にクビる。
そう思ったからこそ、つい一瞥を与えてしまった。
”愚鈍の王であった者よ
貴様のことは覚えておる
この次は――――
決して急くことなく 脇道へ逸れ様が良い ゆったりと 迷いながらで良い 構わぬからまたここへ戻って来れば良い “
それ以降、竜の思念はなりを潜め洞の中は一層静けさを深めた、まどろむ竜の刻がまた動き始める。
――竜は眠る、
体の中には毒素がドス黒く渦巻く、それは地と水を介し確実に蓄積してゆく。
体の中に取り込み眠ることで解毒としその副作用であるのか鱗が剥がれ落ちる、それを止める手立てはない。この地に毒素を生み垂れ流すのは人。
竜は力の象徴だ。
だから皆が家紋のモチーフにしている。
空に地 水に火 光や闇であっても
竜の力は全てに宿る。
洞の中の竜が
鍾乳石の中で実体を持てたのは
いにしえから連綿と続く人の純粋な祈り
の力に 因るものであればと思う。
終わり
竜の生きざまと愚鈍の王の死にざま @like-M-and-D
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