概要
四つの山が揃えば、 魂、どこさ帰るんず?
青森さは昔っから、
「ひとの影は四つの山さ呼ばれる」
て囁がれてきたじゃ。
南の岩木で生まれ、
西の恐山で還り、
東の八甲田でゆらぎ、
北の釜臥で試される影。
帰ってきた主人公は、
母の声や父の残り影に導かれながら、
その四つの山影へ足ば向けることになる。
山の影と自分の影が重なるとき、
ようやく“ほんとの影”が見えてくる――
そった物語だ。
「ひとの影は四つの山さ呼ばれる」
て囁がれてきたじゃ。
南の岩木で生まれ、
西の恐山で還り、
東の八甲田でゆらぎ、
北の釜臥で試される影。
帰ってきた主人公は、
母の声や父の残り影に導かれながら、
その四つの山影へ足ば向けることになる。
山の影と自分の影が重なるとき、
ようやく“ほんとの影”が見えてくる――
そった物語だ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!骨太の表現力で描き出された美しいホラー
自分には書けない、というのが最初の感想だった。
質実剛健な津軽弁の一人称の語り口。時折、言葉のニュアンスを模索するように挟まれる英語。気を付けて、ひとつひとつ丁寧に咀嚼しなければ、意味を取り逃がしてしまいそうな重く骨太な文章表現。数行読んだだけで、ただ好きだと思った。
その巧みな言葉遣いに導かれる四編の物語の根底には、一貫して静かで憂鬱な恐怖が流れている。静謐で、灰色で、美しい。一編につき一つの山を巡るシンプルな構成だが、徐々に影に蝕まれていく様子が心に重くのしかかる。四つの山を巡ることで、段階的に完成されていく呪い。「おら」と「親父」と「影」の関係は、読者の解釈を誘う。
救いのない…続きを読む