第36話 モンスター狂いの男、冒険者ランクを決める試験に参加する。 1
試験会場の内部は、床も白、壁も白、天井も白だった。
まるで巨大ドームのようなとてつもない大きさの空間だった。
もしかしたら魔法を利用して創り出された空間なのかもしれない。
会場の隅には長方形の木製の机があり、その上には鑑定板と7つの精霊石がある。
木製の机の近くには椅子が2つあり、試験係の担当らしき魔族の女性と男性が椅子に座っている。
2人の頭には角、腰からは尻尾が生えており、かっちりとしたスーツを着ている。
2人はインキュバスとサキュバスのようだが、今まで見かけてきた方と違って、露出度の低い服を着ている。
壁には様々なサイズの武器や防具が立てかけられている。
おそらくは試験を行う時の為に用意されたものだろう。
会場には続々と転移魔法陣で仲間達が集まってきている。
200人集まったところで、受付係のサキュバスの女性は仕事を終えて自分が普段業務を行っている受付へと戻っていった。
「では皆さん、試験の結果が良くなる事を願っています。」
そう言って受付係のサキュバスの女性は転移魔法陣の真ん中に立ち、転移した。
椅子に座っているインキュバスの男性が試験会場の説明をし始めた。
「私の名前はフラトーレです。
種族は悪魔族のインキュバスです。
冒険者ランクの試験官をしています。
隣にいるのは同僚のサキュバスであるミュイです。
これからどうぞよろしくお願いいたします。」
フラトーレさんはいかにもチャラ男という雰囲気があるが、目の奥はどこか鋭い。
それに対してミュイさんは緩い雰囲気で、ふわふわお姉さんといった感じだ。
というか、大事な試験をする前なのに思いっきり寝ているが、それは大丈夫なのか?
「あ、皆さん来てたのね。
私の名前はミュイです。
これからよろしくお願いいたしますね。」
フラトーレさんが言葉を続ける。
「では早速、試験を始めていきます。
最初は鑑定板による魔法の適性と魔力の有無の検査から始めていきます。
魔力をお持ちである種族のクイーンドラゴンの方々はミュイの前、魔力をお持ちでない人間、オーク、ゴブリン、ホブゴブリンの方は私ことフラトーレの前に並んでください。」
俺達は種族ごとに並び、検査を受けた。
魔力の無い者の鑑定板の上には七つの精霊石が乗っているのに対して、魔力がある者の鑑定板の上には魔法陣が書いてある。
俺は魔法の適性検査を受けながら、ちらりと横を見る。
魔力がある者ようの鑑定板は、魔力が無い者の鑑定板の使い方と同じように上から手をかざす事で判定できるようだった。
アヴリーケさんが鑑定板に手をかざした。
すると、鑑定板に刻まれている魔法陣が七色に光った。
「7種類すべての魔法に適性があるとは、あなたはすごいお方だ。
魔力の量もすさまじい。」
「お褒めのお言葉ありがとうございます。」
魔力の適性と有無の検査は一瞬で終わったが、人数が多いため、待つのに時間がかかった。
俺は待ち時間にヘル王国の悪魔族はどんな生態を持つのか思いを馳せた。
しばらくして検査が終わった。
フラトーレさんが言葉を発する。
「これにて魔法の適性と魔力の有無の検査は終わりです。
次に、実戦を行います。
性差を考慮して、男性の方は私ことフラトールと、女性の方はミュイと1対1で対戦してもらいます。
まずは、アマガイユウトさんからお願いいたします。」
フラトーレさんは椅子から立ち上がり、戦闘態勢に入る為の構えをとった。
例えるならボクサーの写真によくあるファイティングポーズ。
ただ構えをとっただけなのに、どこか威圧感を感じられる。
俺は思わず息を呑む。
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