第48話 ステータス解禁


鑑定士は新しい金属札──正式ステータスカードを取り出し、

机に置いた。


「アキト君。これが“正式登録”だ。

カードと君の脳内UIを同期させる」


彼が札に手を当て、小さく詠唱すると──


カードが淡く光り、

アキトの脳内も同時にふわりと温かくなる。


(……何か、流れ込んでくる……)


「さあ、ステータスを呼び出してみろ」


アキトは深呼吸し、

脳内で念じる。


《ステータス表示》


ぱっ。


今まで真っ黒だったUIが、

鮮明な文字へ変わった。


────────────────

【ステータス】


名前:アキト

レベル:7

職業:なし(冒険者見習い)

所属:ロズベイル支部


HP:42

MP:39


STR:18

VIT:16

AGI:21

INT:30

MND:27


属性適性:

● 水(高適性)

● 火(低適性)


スキル:

・初級魔術基礎(火・水)

・魔力操作(未熟)

────────────────


アキトの胸が熱くなる。


(……全部、見える……!

やっと……俺の本当のステータスだ……)


セリアが歓声を上げる。


「すごい……!

アキトさん、本当に水属性の高適性なんですね!」


職員も唖然とする。


「ステータスが見れないままLv7まで行ったって……

普通じゃねぇ……」


鑑定士はゆっくり頷いた。


「君は、

“数字に頼らず本能と経験だけで強くなった”

稀有なタイプだ」


アキトは拳を握った。


(……ここからが、本当のスタートなんだ)


脳内UIはもうバグっていない。

これからは自分の力を“正確に把握”できる。


冒険者としての道が、ようやく整った瞬間だった。

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『死んだと思ったら、ゲーム世界だった件』 @__raru

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