第46話 水属性の価値


鑑定士はスライム核を慎重に置きながら続けた。


「水属性は、形が不安定だ。

攻撃にも防御にも補助にもなり……

だが逆に、敵を強化することもある」


アキトはうっ、と言葉に詰まる。


(昨日の巨大スライム……

あれも俺が水を当てたせいで……)


セリアが続ける。


「でも、水弾の片鱗が出ているなら……

いずれ“本物の魔術”になりますよ!」


鑑定士が頷く。


「水弾が完成すれば、初級魔術師としての第一歩だ。

君にはその素質が十分ある」


アキトの胸に、

静かに期待が広がっていく。


(……俺の水魔術、

本当に役に立つのかもしれない)


だが鑑定士は、少しだけ厳しい声で言った。


「ただし。

水魔術は想像以上に危険だ。

魔力量が足りなければ制御できないし……

暴走すれば“自分が浸されて死ぬ”」


背筋が凍る言葉。


「だからこそ、鍛えねばならん。

君ほどの資質があるなら、なおさらだ」

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