第45話 核に残る異常反応


鑑定作業が終わったころ、

ギルドの奥から年配の鑑定士が現れた。


「……アキト君、少し話せるか?」


静かな小部屋へ案内される。


鑑定士は、大核のひとつを机に置きながら言った。


「この核……魔力が不自然に膨張している」


アキトは心臓が一瞬止まったような気がした。


(……やっぱり、水のせいか)


鑑定士は指を核に添え、目を閉じる。


「内部に“水属性の魔力痕”が強く残っている。

普通の初級者が扱う程度の水魔術では、

ここまで魔核に影響は出ない」


セリアも横で驚いたように言う。


「水属性ってそんなに……?」


「珍しい。火よりもずっと難しい上に、

ここまで実戦で使いこなせる初心者はまずいない」


鑑定士はアキトに視線を向けた。


「君……水属性の資質があるのではないか?」


アキトの心臓が跳ねた。


(水魔術が……本当に俺の“才能”なのか?)

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