第41話 魔力が固まる


草原の先で、

三匹のスライムが横並びに跳ねていた。


(多いけど……今の俺ならやれる)


アキトは深呼吸し、

水魔力の流れを手のひらに集中させた。


昨日より明確な“水の筋”。

それが一点に集まる。


「水──集え……丸く、重く……!」


冷たい点が形を帯びていく。


「《ウォーターボルト》!」


しゅっ!


霧ではない。

一滴よりも密度が高い“水の粒”が前へ飛ぶ。


スライムに命中すると、

ぷるん、と膨張する。


(……本当に、“弾”ができ始めてる!)


アキトは飛びかかってくるスライムを避け、

棒で核を狙って打ち込む。


べちっ!


一匹目。


霧の壁を展開しながら二匹目。


べちっ!


追い詰めて三匹目。


べちっ!


全部倒した。


袋はもう片手では持てないくらい膨らんでいる。


(これ……30個は軽く超えてないか?)


アキトは胸の奥がじわりと熱くなるのを感じた。


(……俺、強くなってる……)

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