③
直接マンションまで来られるのは抵抗があったので、最寄り駅のロータリーで待ち合わせたらカレはレンタカーでおっかなびっくりやって来た。
ナビにどこを登録したのかは分からなかったが、クルマは高速道路へ向かい、その合流に私の方が胆が冷えた。
ああ、今の私って、『はた迷惑なサンデードライバーの助手席の厚顔無恥なオンナとして見られているんだろうなあ』とげんなりする。
でもその位に厚顔無恥でなきゃダメなのかもしれないとも思う。
世の中、イイオトコなんて滅多に居るもんじゃない。
そもそも私自身、たいそうな願いを持てる程の人間ではない。
こんな自分の心の尖っている部分を丸めてうまく納まる様に努力すべきだ。
『ルートを外れました』
“ナビ”の指摘で我に返った。
高速を降りてすぐのクルマは……青いビニールシートがビラビラ下がっている建物の中へと滑り込んだ。
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