第2話 馬鹿その1と馬鹿その2と馬鹿その3と

「このままだと貴様は死ぬ。ちょうど今からジャスト5分後、魂と肉体の結びつきがなくなり、現世で言う脳死とやらになる」

「…まじかよ」


俺は今、ほとんどなにもない草原に居た。そして突然現れた不思議な少女に、「お前死ぬぞ」って言われた。

…うん、わからん。な~んもわからん。


「えっと、で?私にできることは?」

「うむ。素直でよろしい。んでもって貴様にできることはない。まだな」

「じゃあもう終わりじゃん寝てもいい?」

「まだっつったろーが!もうちょっとしたら否が応でも寝なきゃだから!寝ることから離れろ阿呆が!」


怒られた。悲しい。


「…まぁいい。ほんで貴様の死因だが、さっき魂と肉体が分離することと言ったな」

「だな」

「正確に言うと、私が管理する世界に、異次元転移魔法を開発した馬鹿がおったのだ。しかしまだ未完成の状態でテストしたせいで、魂だけが異次元と異次元をつなげる通り道を猛スピードで爆走した。結果、複数の次元で、その馬鹿の移動ルート上にあった魂が衝突事故で肉体から弾け飛んだ。場所によっては魂が消し飛んで突然肉体が爆散するとかいうなんかちょっと面白いこt…ゲフンゲフン、悲しい事件が怒った場所もあったようだが、貴様の世界付近は奇跡的にその馬鹿のスピードが落ちて、魂と肉体が分離しかける程度で済んだようだ。貴様の世界の中では衝突の影響で異能が目覚めたやつも居たようだが、貴様は運悪く衝撃をモロに食らって死にかけているのが現状と言ったところだ」

「…へー」


やっべ半分以上入んなかった。まいっか。


「ほんでもって貴様に質問だ。ぶっちゃけていうと貴様の魂と肉体の分離は神でももう手の施しようがない粋に達してる。しかし私には貴様を助ける義務がある。私の管理してる世界から出た馬鹿が原因だからな。ので、何かしら補填しようと思う」

「…まさか!」

「そのまさかだ馬鹿その2」

「馬鹿その2とはなんだ馬鹿その3」

「うるさい。…補填内容としては、貴様の望みを叶えられる範囲で叶えてやる。我が領域内か、管理する世界内ならある程度干渉できる故、好きな望みを言え。異世界転生してハーレムとかだと私としても楽だからありがたいんだが」

「TSしてめっちゃ可愛くなって異世界で女の子と百合百合したいです」

「わかったTSしてめ…なんて?」

「TSしてめっちゃ可愛くなって異世界で女の子と百合百合したいです」

「…こわ」


鼻血垂らして願いをぶちまけていると突然、立っていた地面がなくなり、落ちた。


「…まぁハーレムとかはある程度サポートできるが本人の資質も必要だ。だからなんというか、頑張んないでほしくもあるが…頑張ってこい」


その言葉を聞くと同時に、意識が暗転した。

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ぐだぐだ異世界でやってたらなんとかなった件。 @takyun

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