第14話 英雄扱い…

馬車出発の前日

各々部屋に戻り寝る支度をしていた

「ご主人さま!」

「ん?なに?」

「首都についたらどうするんですか?」

「そこを拠点にして依頼をこなすかなぁ」

「なら私もついていっていいですか?」

「あーいいよ」

「やったー!ユキちゃんと暮らせる!」

「えぇ…」

「身寄りがないんだから断れないでしょ…」

「それもそうですね!」


一方男子部屋

「パラガスさんは首都に着いたあとって?」

「騎士団の教官をするよ」

「立派ですねぇ」

「そういうあんたは?」

「英雄パーティに居た薬師って言って店を出すね」

「卑怯だなあんた」


翌日


「英雄が出発するぞー!」

「何この無駄な歓声」

「斧の振り方とかインフラ整備やその他諸々しか教えてなかったんだが?」

「元王国騎士団の言葉は信用できないなー」

「同意です」「同意だよ」

「酷くねぇか?」

「にしても馬車が取れてよかったね」

「あぁ…そうだな」


その後私達はそれ以上何事も起こらず首都へ着いた

「ここが新しく暮らす街か!」

「ワクワクするねユキ」

「だね!」

「じゃあ私はここで」

「おう、はよどっかいけ」

「パラガスも頑張ってね」

「おう!」

「そういえば言いそびれていたことが」

「なに?」

「俺の本名はマサル・ヨシダ」

「へー…なんで偽名を?」

「まぁ色々あってな」

こいつもそれなりに苦労しているんだな

「人それぞれ事情があるんだよ」

「ご主人さま!家を買いましょう!」

「お金は?」

「十分です!」

「購入手続きお願い!」

「じゃあこれで」

「あぁ」

「元気で…」

「さ、これから新しい生活が始まるぞ」


「ご主人さまー!大量の人が!」

「追い返して!」

「はい!」

「連日これじゃまともに寝れないんだよ…」

あれから3ヶ月、連日人が来て寝られない

「ギルドの人がいて討伐依頼受けました!」

「よし行こう!」


唯一の安息は討伐依頼の道中

「こんないい天気の中散歩すると気分がいい」

「そうだよね」

「そうですねぇ」

「お前らは下がってろ!」

この声は!

「ここは俺が!」

「おーい!パラガス!」

「お前ら!そこのやつ手当してくれ!」

人使いが荒くなってないか?


「いやー助かったよ、まさかあんたに合うとは」

「久しぶりだね」

「まさかあの英雄!?」

「パラガスは元パーティメンバーだけど」

「おいおま…」

「教官すげぇ!」

「お前ら落ち着け」

「そんな迂闊に言うなよな…」

「ごめん…」

「お前らの家の前物凄いことになってるよな」

「そうだね」

「今度国がそれをどうにかしようとしてるらしい」

「へー…なんでそんなことを?」

「国王と話が合ってな」

顔が広いにもほどがある

「あれ?パラガスさん!アグシさん!」

「ゲッ…何故ここに…」

「薬草採取ですよ」

「はぁ…不運だな」

「私思ったんだよ」

「何を?」

   「旅してる時が一番楽しかったなって」


1ヶ月後私達は冒険者として活動を始めた

パラガスは用量のいい愛弟子にあとを継がせ

ガサエスは店を辞めた、雑用係にしよう

私達の旅は、目標を決めなかった

ずっと一緒に旅をできるように

楽しく過ごせるように…

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