小話4~巫女姫との秘密会議後日譚~※
今日は小川の近くで野営する。
ユエシャの護衛は巫女姫の為の天幕を張り、お付きの女官は食事の準備をしている。ユエシャは疲れてお昼寝中である。政務官は輿で寝ているユエシャに付き従っている。
みのりは、川に足をつけ、連日の歩きで疲れた足を癒していた。
生粋のお姫様に野宿をお願いするのは心苦しい。が、帝都を遠く離れた今、街と街の距離が離れすぎている。どうしても途中、何度か野営をするしかなかった。
ドレイクは川で魚を採っていた。
小刀を使って、仕留めていく。みのりは足を冷やしながら、すごいすごいと手を叩いてドレイクを褒めた。
夜になると、ユエシャが天幕で一緒に寝ようと、みのりを誘った。野営の時も、街の宿でも、ユエシャは常にみのりと一緒に寝たがった。そう見えるように振舞ってくれた。
しかし、である。今日はドレイクと一緒に居たい。
みのりは深刻なドレイク不足に陥っていた。お付きの女官はそれを悟ったのか、ユエシャを引っ張って天幕へ連れて行ってくれた。
「ドレイク、最近一緒に居られなくてごめんね」
ぱちぱちと燃える薪が、ドレイクの顔を照らす。
「みのりが謝る必要はない。」
ドレイクは薪に木をくべながら、言った。自分が感じた寂しさをドレイクにも感じて欲しかった、というのは贅沢か、とみのりは自嘲した。
「ユエシャ様ってすごいよねー。」
みのりは星を見上げながら、言った。同意が欲しかったわけではないが、ユエシャと比較して、自分はなんてもの知らずで、子供なのかと秘かに落ち込んでいた。
「巫女姫は生まれながらの王族だ。自分の使い方をよく分かっていらっしゃる。比べるようなものではない。みのりはそのままでいい。」
「そうかな?」
自信なく問うみのりに、ドレイクが頷く。
「おいで。」
ドレイクがみのりに言った。心臓がぞく、とした。
ドレイクの“おいで”の破壊力に心臓が壊れそうにドキドキと鼓動している。
おずおずと近寄ると、腕を引っ張られる。そのままドレイクの胸に倒れこんだ。
「巫女姫は稚いとけなくていらっしゃる。放っておけない気持ちはわかるが、俺もみのりと一緒に居たい。」
「う、うん。」
みのりは真っ赤になってうなずいた。
先ほどのみのりの考えを読まれたようで、気まずくい。みのりは下を向く。ユエシャには、色々とこの世界のことを教えてもらっている、などとは言えない。だって、みのりはまだドレイクに異世界から来たことも言えていないのだ。
ドレイクは素直に頷いたみのりに満足し、優しく笑った。
ふわ、とドレイクの匂いがする。ドレイクはみのりの耳を舐めた。
「ふあっ!・・・舐めた!舐めたぁ!」
驚いてみのりが耳を手で押さえる。ドレイクはフハ、と笑った。
「あまり大きな声を出すな。巫女姫を起こしてしまう。」
そう言われては、みのりも騒げない。でもやられっぱなしは良くない。
ドレイクの耳に手を伸ばす。耳の根元辺りのふわふわした毛を撫でると、ドレイクの耳がぴくぴくと動いた。みのりはそれが面白くて、長い間ドレイクの耳に触れていた。
「みのり・・・」
ドレイクが腹の底に響くような、切羽詰まったような声でみのりを呼ぶ。
耳に夢中だったみのりは、はたと気づいた。その瞳にみのりを映して、熱を宿している。
ああ、この男ひとは私に欲情している。
みのりは独占欲のような、黒い塊を自分の内に感じた。ずくん、と体が疼く。
今、この瞬間、ドレイクは私だけのもの。
みのりはドレイクの首に手を回した。しばし見つめ合うと、噛みつくようなキスをした。ちゅ、ち、と軽いリップ音が、くちゅ、ぴちゃ、と水を含む音に変わる。
「んっ・・・」
はあ、とみのりが息を吐く。息を吐いたそばからドレイクがみのりを食べるようにキスをする。
ドレイクの手がいつの間にかみのりの服の中に侵入していた。胸をやさしく揉んで、みのりの快感の芽を少しずつ開かせる。
「ふぅ・・・あ・・・はぁ・・・・」
胸の頂を擽られ、みのりは喘ぐ。ずくん、とナカが疼く。
触って欲しい。けれどこんな場所で。
相反する気持ちに、みのりは戸惑う。ドレイクは手を緩めてはくれない。
「みのり・・・みのり・・・」
愛おしいと感情を込めて呼ばれる名前は格別だった。ドレイクが自分の、自分だけのモノと感じられて、みのりは歓喜した。
「ふぁ・・・!・・・あ、ドレイク・・・」
胸を触っていた手が、下に降りる。その意図を察してみのりのナカからじゅわ、と蜜があふれた。
くちゅ、という水音は、薪のぱちぱちと爆ぜる音に混じって。それでも目立って聞こえた。
「いっ・・・いい・・・ドレイク、きもちいっ!」
ドレイクど唇を合わせたまま、みのりは喘いだ。生理的な涙を目に溜めながら、気持ちよさそうに息を吐く。
ドレイクはキスの合間に、もう片方の手でみのりの涙を拭う。ぽろ、となみだが宝石のように落ちる。
指は割れ目をぬるぬると行ったり来たり、を繰り返した。時おり突起を弾くとみのりの甘い声がした。
「あっ・・・あん・・・」
快感はゆるやかな坂を上るように、少しずつ上がっていく。
ドレイクが突起をぐにぐにと押しつぶす。突然の強い快感に、みのりは達した。
あああ!と、出てしまった声をドレイクがキスで飲み込む。
きもちよかった
はあ、と大きな息を吐いて、ドレイクの肩にこてん、と倒れこむ。
ドレイクはみのりの頬にちゅっと軽いキスをした。
翌日、みのりは顔を真っ赤にして、ユエシャに2日に1回はドレイクと一緒に寝ます、と報告した。
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