小話1~魔法使いの弟子後日譚~

みのりはマーリンに聞いた。




「マーリン先生、先生は何という種族ですか?」


「魔族、ですよ。」




マーリンは銀の髪と真っ赤な目に、物語に出てくるエルフのようにとがった耳が特徴的だ。


当然、エルフだと言われると予想していたみのりは驚いた。マーリンはこともなげに魔族、と言った。みのりのイメージでは魔族はゲームに出てくる悪役である。魔王とか、悪魔のような人間とは敵対する種族である。恐々とみのりは聞いた。




「エルフじゃないのですか!?ま、まぞく、とは・・・」


「エルフ、が何か知りませんが。魔族は詠唱無しで魔法を使えます。ほら。」




と手をかざすと、炎がボワっと吹き上がる。




「えー!!すごい!すごいです!!私も出来ますか!?」


「無理ですね。魔族は本能で魔法を使えるのです。ヒトには出来ません。」




みのりはがっかりした。そして、あれ?と思う。




「杖をつかっていらっしゃいますよね?それに言語魔法のときに詠唱していたような・・・」


「あれは、集中するための女神への祝詞です。杖はかっこいいから使っています。」


「・・・かっこいいから・・・?」


「ええ、かっこいいでしょう。」




とマーリンは杖を振る。みのりは尊敬している先生の手前、はい、そうですね。と言うしかなかった。


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