小話1~魔法使いの弟子後日譚~
みのりはマーリンに聞いた。
「マーリン先生、先生は何という種族ですか?」
「魔族、ですよ。」
マーリンは銀の髪と真っ赤な目に、物語に出てくるエルフのようにとがった耳が特徴的だ。
当然、エルフだと言われると予想していたみのりは驚いた。マーリンはこともなげに魔族、と言った。みのりのイメージでは魔族はゲームに出てくる悪役である。魔王とか、悪魔のような人間とは敵対する種族である。恐々とみのりは聞いた。
「エルフじゃないのですか!?ま、まぞく、とは・・・」
「エルフ、が何か知りませんが。魔族は詠唱無しで魔法を使えます。ほら。」
と手をかざすと、炎がボワっと吹き上がる。
「えー!!すごい!すごいです!!私も出来ますか!?」
「無理ですね。魔族は本能で魔法を使えるのです。ヒトには出来ません。」
みのりはがっかりした。そして、あれ?と思う。
「杖をつかっていらっしゃいますよね?それに言語魔法のときに詠唱していたような・・・」
「あれは、集中するための女神への祝詞です。杖はかっこいいから使っています。」
「・・・かっこいいから・・・?」
「ええ、かっこいいでしょう。」
とマーリンは杖を振る。みのりは尊敬している先生の手前、はい、そうですね。と言うしかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます