神の限界

 そうして俺は漫画家を目指した。

 別に将来の夢は元から無かったのだ。

 今日はもう夜だし寝るか。明日本屋で漫画の描き方の本買うか。





「...またここかよ」


 俺は今、神と出会った場所にまた来ていた。


「よう!昨日ぶりだねー。僕は本当の神だっただろ?」

「そうですね。アナウンサーのパンツはピンクだった」

「よし!信じてもらえたね」

「じゃあ今日は何しに来たんですか?」

「君がなんか質問あったら答えようかなって思った」

「うーん...じゃあ、僕と結衣はなんで転生したんですか?」

「転生はみんなしてるよ。ただ、死ぬ瞬間に全ての記憶が消去されるだけ」

「じゃあなんで僕と結衣は記憶があるんですか?」

「僕は魂と時の神。君たちが死ぬ瞬間、魂以外の時間を吹き飛ばした」


 よくわからなかったので、次の質問をすることにした。


「じゃあ、もう一つ。なんで僕と結衣の記憶をそのままにしてくれた?」

「暇だったからだ」


 なんか少し、寂しそうな顔をしていた。


「じゃあ僕からの質問はもうありません。多分結衣のことを聞いても答えてくれないでしょうね」

「よくわかってるねー!じゃ、バイバーイ」




ー翌日ー


 俺は結衣探しのために漫画を描き始めることにしたのだが...


「絵が...描けない!」


 俺は絵の練習なんてしたことなかった。

 これで漫画家目指そうは無理があるな...

 でもそれ以外に認知してもらえる方法もないし...

 そんな感じで、俺は本屋の中で悶々としていた。


『あ...あ...』


 その時、急に頭の中に音が流れ込んできた。


『あ、オレオレ。俺だよ俺』


 まさか脳内に語りかけてくる系でオレオレ詐欺をやられるとは思わなかった。


『君の脳内n..cじょldじゅ語りぁktwる』


 脳内に話しかける系で滑舌が悪いとかあるんだ...


『君の脳内を除くことはできないから、僕の声を聞くことができているなら、その本を手に持ったままジョジョ立ちして』


 つまり脳内へのメッセージは一方通行ということか。

 俺は渋々ポーズをとった。

 ジョジョ立ちはかっこいいが恥ずかしい。周りに人がいなくてよかった。


『オッケー!じゃあ、また夢で会おうね』


 来ないでほしいのだが...




 そして死刑宣告は突如として告げられた。





「すみません、斎藤さん、何してるんですか?」




 俺はクラスメイトにジョジョ立ちを見られた。




ーーーーーーーーーーーー



 私は楠木葵、13歳。

 陰キャで毎日絵ばっかり描いている。

 そんな私には好きな人がいる。


 それは蓮くん!


 クラスメイトだが、あまり話したことがない。

 無口だけどイケメンで、実は学年で一番の成績であることを知ってるのは、隣の席の私だけ。

 何故か大人っぽくて落ち着きのある彼に惚れてしまった。

 そして私はコンビニにお菓子を買いに行く途中、蓮くんを見かけたので後をつけてみた。

 そして現在に至る。


 なんで蓮くんは、ジョジョ立ちをしているのだろうか?

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