第22話:過去と交錯する者たち

朝の神殿は淡い光に包まれ、石畳を踏む音だけが静かに響いていた。


カナタは訓練室で光の制御訓練を行う。

だが、手の震えは前日よりもはっきりと現れ、光はわずかにぶれている。

反応が遅れ、見えているはずのものが、少しだけ遠い。


まるで、体の中の何かが、少しずつ……


胸の奥で、霞子の記録がかすかにちらついていた。

記録の中の倒れた者たちに自分の姿を重ねてしまう。


これは他人の話じゃない……

僕も、過去の能力者たちと同じなのだろうか……

読んだ資料の記憶が、今の自分に重なってゆく。


霧子は端末越しに観測データを確認する。


直接介入はできない。

手を伸ばそうとも伸ばすことは叶わない。

ただ、助言で、できる限りの手助けを。

これは、自分への言い訳なのか。

何もできずにいる自分と、ただ葛藤し続ける。


「体を休めて、深呼吸して」

霧子の声は静かに届く。

カナタは一瞬目を閉じ、頷く。

だが、休むことはしなかった。


遠くで裂け目の光が微かに揺れ、胸の奥の不安が広がる。


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