第19話 王の作戦

「キツイだろ、それ」

「ガ──ウッ?!」


呪い斬進は一度斬撃を与えた箇所に再度呪いで作られた斬撃を喰らわせそのまま深く切り込む技だ。魔力を込める限り相手に呪い耐性や白魔法や圧倒的魔力で中和しない限りは呪いは続く。


「俺もミスで指切った時は焦ったな〜」

「ガッ──ガウワッ!」

「こっちも頭痛が酷いんだ、早く終わらせるぞ?」


疾風の靴ソニックブーツを使用し巨狼の頭目掛けて短剣で瞬きの間に4連撃喰らわせる。大地切り裂く鋭刃グラウンドリーヴなどの付与魔法は使用していないが牽制には十分だろう。


「ガ…ウワ?ギャウ!」

「うぉっ?!何それ!」


グゥン!


Dランク黒魔法苦しみの槍サファリングランスを使用して攻撃を仕掛けてくる巨狼。だが精度はイマイチで高速移動する蓮兎には当たる気配が無い。


「頭だけになってキツイだろ?終わらせてやるッ!」

「ガゥゥ…」


ボトッ


レベルが上がりました!


「今度こそやったかな」

『お、終わった?お疲れ〜』

「少しは労ってくれても良いんだぞ?」

『ん…面倒』

「そうかよ…」


まぁ別に労いが欲しいんじゃ無いんだけどな。それより巨狼を喰って更なる強化のお時間だ!


「…でも黒いの纏ってたしな〜」

『我慢せずに食え』

「食うけどさぁ?なんかこう抵抗あるじゃん」


権能の効果でクソまずい事は無いだろうが未知の物を食べるのはやっぱ怖いよな…食うけどさ。


「…炎準備するかぁ」


◇オルグス大迷宮 14階層◇


「はぁはぁ…小鬼族ゴブリンが強いな」


切山が息を切らしながら剣を振るう。だがその武器もとう耐久値はもう少ないだろう。


「私達も自分で武器作れるようにならないとね、蓮兎君にも限界はあるだろうし」

「そうだな、本当は一度合流できれば良いのだが…」


鏡花達は堅実にここまで知能の浅い餓狼ウルフ達用の陣形を使っていたため相手も知能を使って戦ってくる小鬼族ゴブリンは十分強敵になりうる存在だ。


「ゴアッ!」

「ワォォォン!」

「ちっ、またかよ!百鬼夜行骸骨狼兵スカルウルフ!」


関柄の死霊たちが小鬼族ゴブリン達を襲う。それに乗じて切山が前衛に出る。


「やっ!」


シュンッ


斬撃をを決め餓狼ウルフが怯むと再び切山が技を撃ち込む。


「一閃!」


レベルが上がりました!


レベルアップのファンファーレが鳴り響き戦闘が終了する。


「良い技だね」

「ん?私か?ありがとう」


トドメを刺した直後に切山に王野が話しかけに来た。

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