第16話 ◾️◾️◾️◾️

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■■■■はどこを見ても暗闇が永遠と思えるほどに続く大広間だ。常に黒のオーラが漂っていて光などこの空間には存在する事が出来無いほどのくろで構成されている。そしてこの空間に用意された椅子に腰を掛けるのは6人の悪魔達であった。


「会議とか面倒なんだけど…早く終わらせてよ」

「そんな事言うなよ怠惰スロウスせっかく全員集合する機会なんだぜ?」

強欲グリードは良いかもだけど僕は嫌なんだよ、早く寝たい」


怠惰スロウスと呼ばれる悪魔はテーブルに頭を乗せて睡眠を取ろうとする。


「会議とか暇なんだよッ!そんな事するより戦争しようぜ?戦争!」


この世界には珍しい軍服を着た男まさりな口調をした女性が机に足を乗せて話している。


「…憤怒ラースうるさい、僕少し寝るから静かにして」

「あ?俺に命令できるのは暴食グラトニーだけだ。俺も命令するけどな」

「それ命令じゃ無くてお願いなんじゃ…まぁ良いや面倒だし」


今度こそ夢の世界に旅立とうとしていた怠惰スロウスだがそれまた傲慢プライドによって妨害されることになる。


「会議を始めるぞ」

「…君達僕が寝るのそんなに妨害したいの?」

「会議なんていつ振り?私は良いけど迷惑なんだけど…せっかく良い人見つけたのに」


露出度の高い服を着た色欲ラストが愚痴を漏らすのを横目に嫉妬エンヴァーが話す。


「また色欲ラストは好きな人見つけたの?はぁ私なんて…鬱ってきた」

「何鬱ってきたって?キャラ作り?」

「黙れ憤怒ラース鬱るぞ?」


各々自由に会話する中イラついた傲慢プライドが殺気を放ちながら話し出す。


「会議を始めるぞ」

「…分かったけど殺気だすのやめろ」


憤怒ラースに言われ憤怒プライドは殺気を出すのをやめて口を開く。集まってから1時間、やっと会議の開始だ。


「今回の議題は1つ、暴食グラトニーの封印が1部解かれた」

「もう話たから会議終わりで良い?僕寝る──」

「マジか!確かオルグス大迷宮とか言う場所だったよな?今すぐ行ってくるッ!」

「まて憤怒ラース、お前は暴食グラトニーに味方する可能性があるから行くな」

「そうだそうだ〜!あ、僕は行かないからね?寝るから」


怠惰スロウスは再び目を閉じる。余程疲れているのであろうか?すぐに深い眠りについてしまった。


「じゃあ誰が行くんだよ?せっかく3000年くらいぶりに会えると思ったのに…」

「ふむ…なら嫉妬エンヴァーはどうだ?」

「私?無理無理!私今鬱ってるから気分乗らない」


手を横に振り今は動かないと意思表示をする。


パッ!


その時色欲ラストがイスから立ち手を上げる。


「私がやる〜!弱った暴食グラトニーなら倒せるし特に思い入れも無いし」

「ふむ、そうだな…分かった。色欲《ラスト《頼んだぞ」

「俺は〜?暴食グラトニーに会いたい〜!」

「…しばらく憤怒ラースは監視対象だからな」

「俺みたいな乙女を近くに置いて何する気だ!変態」

「乙女は暇つぶしで国を消し炭にしないぞ?」

「…それはそれ」


どうやら図星のようで少し慌てながら文句を垂れている。そしてその後数十分間雑談の後に会議は解散され色欲ラスト暴食グラトニー改め暴食グラフェルと宮戸蓮兎を殺害する為に動き出す。


「いい男だといいな〜」


色欲ラストが自室に向かって歩きながら呟く。余談だが自身が命の危機、そして舌舐めずりをしながら自分を襲いにかかってくる痴女に出会うのは1年余り先である。

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